札幌市立栄町中学校。隣接の栄町小学校と合わせて昨年度から文部科学省のインクルーシブ教育システム構築モデル事業のモデルスクールに指定されている。

インクルーシブ教育システムとは
障害者の権利に関する条約第24条によれば、「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている(文部科学省HPより)


栄町中学校


倉賀野教頭先生のご挨拶。なんと「姫路出身の曽祖父が北海道に入植してきた。姫路城の家来だった」という。


調査資料

札幌市教育委員会のY係長、中学校のM特別支援教育コーディネーターから説明を受ける。障害(知的)のある生徒のうち、モデル事業の対象は昨年度は2人、今年度は3人。個別の支援指導(国語の見通しを個別指導、美術の色塗り支援など)を受けつつ、通常の授業や試験などを他の生徒と同じように受けている。 また、在籍クラスだけでなく全校で授業のユニバーサルデザイン化を進めたり、黒板周辺をはじめ教室内の掲示物削減(刺激量調整)にも取り組んでいる。貼り紙などが多いとプレッシャーに感じるという。


栄町小学校


栄町小学校の及川校長のご挨拶。その後、佐藤教頭から説明を受ける。モデル事業の対象となっている在籍児童数は2人。

小中とも授業を見学。


その後、両校を合わせての質疑応答など。

Q.なぜ本校が国のモデル校に指定されのか?A.近くに社会福祉法人麦の子会があり、そこの指導部長が本校の元校長という環境に恵まれていたことも大きい。とはいえ、はじめてのことなので手探りのことが多く、先進的な学校の見学などを行うなどしている

Q.教員の加配などは?
A.特別支援教育コーディネーター以外に、生徒への合理的配慮や個別指導もあるため、有償ボランティアを市で負担するなどしている。保護者の方が付き添う場合もある。

Q.全体として特別支援教育が必要な児童生徒はどのくらいいるのか?
A.小学校では、麦の子会に在籍している児童だけで50人くらいいる。小さくなるほど比率が高くなっており、今の1年生は3割くらいの比率で何らかの支援が必要となっている。多くの保護者の方に手伝ってもらっている。
※あまりに比率が高いため後刻確認。校区外から麦の子に通所している児童が本校に通うため比率が高くなっている。校区内だけを見ると全国平均と同じ6%程度との説明あり。

私自身の小学校時代、今から30年も前だが、まさにインクルーシブ教育だった。このモデル校のような支援のない中での実践。体験があるので思いや考えもある。国の制度はモデル事業が始まったばかり。当委員会の調査テーマ選定により、考える機会が増えた。ただし、結論は出ない。簡単な問題ではない。

その後、伊丹空港から神戸までバスで行き、地下鉄で兵庫県庁。同僚議員と懇談。その後、10年来の後輩Oくんと夕食懇談。私に参考の意見を聞くぐらいだから迷っているのだろう。最後は死ぬときに判定される。しかし、成長してる。私が助言することなんか本当は何もない。

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