18日の東京都議会本会議での『ヤジ』が問題になり、テレビなどでも大きく報道されている。ヤジを受けた議員がヤジをした議員の処分を求める要求書を議長に提出したというが、ヤジをした議員が特定されていないとして不受理となったという。

野次は『議場の華』として肯定される場合もあるが、今回のように不快で問題となるものもある。


"引退"直前の政治評論家・三宅久之氏がニコ生に初出演「国会の野次はユーモアのかけらもない」全文書き起こし(2012/4/3)


上記リンクで故三宅久之氏も触れているが、私が国会に出入りを始めた頃、ヤジと言えば、松田九郎元代議士だった。私が議員会館に勤めだしたのは1993年で松田代議士は既に議席を失っていたが、彼は『ヤジ将軍』と言われていた。かなり酷かったと聞いたことがある。

国会のヤジがどれだけ凄いか。先日の党首討論でも多くの傍聴議員がヤジを飛ばしていたが、あのレベルになると党首討論や予算委員会が行われる第一委員会室は声がこだましてうるさくて答弁も聞こえず質問ができないほど。議員も興奮してくるので私ら国会担当職員はそうした場合、委員会室には入らないようにするのが暗黙の了解だった(強行採決の時も同じ )。興奮のるつぼである。

しかし、国会中継をテレビで見ていても、ヤジの内容は視聴者にはわからない。国会のマイクは指向性が高く、ヤジの声は拾わないようになっているから。今回の都議会も複数の問題となるヤジがあるらしい。録音もあるというが議会の録音ならヤジを極力拾わないようなタイプかもしれない。

一方、議院内閣制でもない地方議会で国会のようにヤジが日常飛び交っているかといえばそうではない。

私のいる兵庫県議会でもヤジはある。とはいえ、県政と直接関係のないイデオロギー対立に関するものが大半。2会派の議員がヤジを応酬するだけである。鋭い質問にやっかみみたいなヤジも極稀にあるが。それでもかわいいものである。いずれにしろ、誰がヤジをしたかなんて、議場にいる議員は皆わかっている。名前も知らない新人がやるものでもないし、ヤジはいつも決まった数人がやるから。姫路市議会でも同じだった。

地方議会最大とはいえ都議会も130人程度。改選直後に新人議員がヤジデビューしたなら誰がヤジったかわからないかもしれないが、もはや改選直後ではない。 万一、今回ヤジデビューした議員であっても隣に座っている議員は絶対にわかっている。ネットではヤジをしたとされる特定の議員の名前が上がっている。 仲間を守っている人が何人もいるのと、議場で直接肉声で聞いた記者もおらず、証拠がないという話なのだろう。




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