神戸の県庁。県議会健康福祉常任委員会の管内調査(阪神地区)。

まず神戸県民局。平成22年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」と、その後に公布された「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令」等に基づき、指定居宅サービス、介護保険施設等の新規指定・指定更新・変更届の受理等並びに監査等の権限が平成24年4月に兵庫県から神戸市へ移譲された(神戸市HP引用)。

ということで神戸県民局にかかる健康福祉常任委員会所管事項としては県の一般的な全県施策に限られることになる。具体的には、地域子育て応援ネット、まちの子育てひろば事業、100歳高齢者祝福事業、兵庫ゆずりあい駐車場制度などが県の事務である。つまり、健康福祉事務については、主なものはほぼ全て政令指定都市に移譲されたということだ。政令指定都市が都道府県からの独立をいうことがあるが、この分野は事実上そうなっている。質疑応答でも神戸市内選出の県議から事務が市に移ってしまったことや県と市役割分担についての意見が出ていたが、政令市選出の県議のあり方にも関わる本質的な問題につながる話である。


平野局長ら幹部の皆さん

その後、県立男女共同参画センターの調査。神戸クリスタルタワーにある県神戸ハーバーランド庁舎内に入っている。


河田所長や幹部の皆さん

県立男女共同参画センターのHP
設置目的や所掌事務、具体的な事業などは全てこのHPに記載されている。


ママの子連れセミナーの様子


資料代以外は無料と充実しているパソコン教室


女性就業相談室も

何十年も昔に比べればこの分野の人員配置や予算は増えたが、近年は行革に伴い予算も削減傾向にあるという。

男女共同参画事務とは関係がない話なので恐縮だが、このハーバーランド庁舎については県立大学本部事務局の賃貸料が高いことが過去の行革などでも指摘され、実際に移転に到ったことを思い出す。当センターの県職員の人件費を除く24年度の事業費は約1億4700万円というが、かなりの比率が賃借料等で、実際の事業にかけている費用は3千万円程。この建物内にはボランタリープラザやハローワーク、県の外国人相談センターなど関連施設があり、連携が容易なことや、JR神戸駅から雨に濡れず来れるなどベビーカーを押して来るような若い女性にも利便性の評価が高いので、この場所で引き続き運営させてほしいとの話だった。確かに家賃のかからない県民局に移転したとしても現在の家賃分が事業費として措置される保証も見込みもない。要は不便になるだけの可能性がある。所長としてはそう話されて当然。森を見る人が判断すべきことがらである。

その後、同所にて垂水区の社会福祉法人ホーム塩屋さんとの意見交換会。議会改革の一環として今年度から取り入れた県民との意見交換会である。テーマは「知的障害のある方への自立支援について」。まず同法人の鈴木理事長からホーム塩屋設立のきっかけ、アメリカに比べた日本の福祉の現状の遅れなどについて説明を受けた後に意見交換。


鈴木理事長のご挨拶

利用者の余暇活動として音楽グループコスモスを結成したり、「さをり織り」の作品展を開催するなど、知的障害者が人生をエンジョイするための活動をされている。支えているボランティアの方も交通費も何も出していないが月2回20年以上来ている方もいるという。

ケアハウス・グループホームにも力を入れているが、施設開設にかかる建築基準や消防法の規定が雁字搦めであったり、応援してやろうという国の姿勢も見えず、親任せの部分が大き過ぎる現状も。北欧の進んだ現状を何度も見たり、6年前に国連の障害者権利条約に署名しながら批准が遅れている日本の遅れなどについて意見を聞かせて頂いた。