神戸の県庁。会派の役員会。その後、政務調査会。県庁全部局の来年度重要施策と予算要求項目・金額について説明を受けた後、質疑応答の予定。これを丸3日間実施する。


まず企業庁。挨拶する高井公営企業管理者

企業庁では、これまで産業用地分譲、宅地分譲、水道用水供給・工業用水事業の3事業を実施してきたが、来年度は再生可能エネルギーの普及拡大を4つ目の事業として始める。具体には企業庁メガソーラープロジェクトと小水力発電などである。前者は、企業庁の管理する姫路市豊富町の神谷ダムの提体法面・土取場に4ha3,600kW、網干沖地区に1.5ha990kWの出力発電施設を設置することなど。また、播磨科学公園都市の産業用地の未分譲地にも太陽光発電施設を整備する予定(同公園都市は昨年末現在、分譲済率が72.4%残面積24.0haとなっているが、今年度は現在新規分譲がない。今回は売却めどが立たない用地を活用)。神戸三田国際公園都市の住宅用地分譲についても同様に整備する。メガソーラー全体としては24・25年度で30.9ha24,290kWの整備を予定している。なお整備事業費は約108億円だが、手厚い買取制度により20年で約60億円の黒字を想定している。水道用水供給・工業用水事業については特に大きな変更点はない。

また、新たな地方公営企業会計制度の導入にあわせて、26年度予算から適用される販売用土地の時価評価の導入、減損会計(固定資産の適正評価)、セグメント情報の開示などについて総務省等と時価評価、減損の具体的算定方法について協議しながら準備作業を進めている。

Q.導入する太陽光パネルは安価な外国製なのか?
A.太陽光パネルについては、現在契約した24年度分は国内メーカー製である。特に網干沖地区の発電施設は県内産である。メンテナンスなど管理コスト等を考えると国内製の方が外国製よりメリットが大きいと考えている。

その後、企画県民部①(企画財政局・管理局・防災企画局・災害対策局)、平成25年度予算編成、全部局の要求額(総括)、企画県民部の予算要求額について。

昨年末の政権交代に伴い国の来年度予算の編制方針や地方財政計画が未策定のため、来年度の県予算の大枠は仮置きのもの。総額見込みや前年比等を示しても意味がないので記載しない。このほか国家公務員給与水準にあわせた地方公務員給与の7.8%削減要求、自動車関係税の減税対応などの国決定の諸課題については県政に与える影響も大きいが、現政権の具体的な実行等はわからない。また、今後見込まれる高校無償化への所得制限の導入などは県予算にも影響がある。

「既成概念にとらわれない、先進性、創造性、斬新さ等を有する新規事業」を対象とした『チャレンジ枠』5億円(本庁枠4億円・県民局1億円)が創設されているが、現段階では精査中。既存の範囲内では特段の新規事業は見当たらない。

退職手当に対する質問も。
退職手当は国家公務員で約15%(400万円)削減が民主党政権で決定されている。国は1月から平成26年7月まで3段階で引き下げる。 兵庫県も退職手当は国家公務員準拠。条例改正の上、3月1日から第一段階の約5%140万円が削減される見込み。(※減額前の早期退職の可能性も指摘されている。予算上も定年退職を含め総額は増額要求を行っている)ちなみに県が削減をしないことも可能だが、地方交付税減額というペナルティーがあるため現実的ではない。

[参考]
公務員の退職手当と共済年金の上乗せ分を合わせた退職給付が、民間企業の退職金と企業年金の水準より約400万円多いとの人事院調査を受け、民主党政権で法改正。平均退職手当は約2700万円から約2300万円に下がる。

昼食は長崎の出前弁当。美味。

その後、健康福祉部。額の大きい新規事業のみ記したいが、抗インフルエンザ薬の備蓄更新費366百万、ドクターヘリ導入促進事業費90百万など。実質的な新規事業の記載はほとんどない。

その後、産業労働部。新規として「黒田官兵衛」誘客促進事業費58百万、播磨国風土記1300年PR事業費25百万、地域コミュニティ拠点再生プロジェクト事業費16百万円。

質疑の中で直近の県内の民間事業所の開業率・廃業率の説明も。開業率が2.9%、廃業率が6.6%。

企業庁以外は、余りに新規事業が少ないのでチャレンジ枠の影響かと思ったが、そうではなく、査定前のため記載していないらしい。今回の政務調査会は「当初予算要求額に対する調べ」が目的。予算編成の日程が遅くなったのか、政務調査会のように半年ぐらい前から日程が決っているものと噛み合わなくなっている。もともと事業費ごとの予算の前年比の記載もないため、従来の予算要望会等とほぼ同様の議論となっており、聞いていてデジャヴーのような話もある。

昨今、予算編成の透明化に取り組んでいる自治体もあり、部局の当初要求から財政部局、首長等査定の結果をHPで公開するなどしているところもある。査定前だからといって新規の記載を控えるなどでは今回の政務調査会の趣旨を満たすことはできない。正直残念である。

大阪府予算編成過程公表[平成25年度当初予算通常]
大阪府の方がはるかに進んでいる。