神戸の県庁。県議会文教常任委員会の管内調査(阪神地区)。インフルエンザなどで議員も何人か不参加となっている。風邪が流行っているようだ。県庁を出発し、神戸市兵庫区にある県立兵庫工業高校。


吉田校長から学校概要の説明の後、質疑応答。

進学と就職の比率は凡そ6:4。大学進学は工業高校としての特性から指定校枠も多いという。就職希望者の今年度の内定率は昨年末現在で95%(学校の斡旋を望まない生徒を含めると90%)。県内、全国平均と比べても高い数値である。その後、実習室などの施設と授業風景の見学。日本のものづくりの現場で支えている。工業高校の役割はますます重要である。


実習授業中。フライス盤の操作

その後、灘区の県立神戸高校。創立115年と県下では2番目に古い伝統校。戦前は県下というより全国で有数の進学校だった。白洲次郎、井深大、村上春樹さんらが卒業生。


「ロンドン塔」とも呼ばれる校舎。


岡野校長からパワーポイントを使って説明を受けた後、質疑応答。

昔から自由な校風で、自治を重んじ、生徒会ではなく自治会と。部活動にも積極的で所属率は100%を超えるという(1人で文武2つの部活に入る生徒もいるため)。授業は65分×5時間が基本。対外的な学校要覧等の説明文書には土曜授業や平日の授業後の学習等については触れられていない(入学説明会等では説明しているようだ)。今年視察をした他府県を含む進学校では対外的にもそうした事柄を積極的にPRしていたし、現実には私学や他校との比較をされる事項で進学先を決める重要な判断基準となっている。理数コースから発展的に総合理学科を設置(全県学区)。平成16年に国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けるなど理数教育に力を入れている。最近の全体の進学実績をみると、一時期より回復している。

今回の通学区域の見直しにより神戸1芦屋・神戸2・神戸3・淡路学区の4学区が統合されることになる。通学範囲の問題も一部あるが、選べる学校が増える点で改革の影響が最も効果的に出る学区とみている。実際の導入が始まる平成27年度までにどういった取組をして準備するか、指導内容等の充実を計るか。受験側は様々な評価で学校を選ぶようになる。阪神間では戦後、進学実績で私学に相当先行されてしまった。近年この傾向が変わることなくこの構図が逆に固定化されてしまっている。ここは学区の見直しを契機として固定化を変える可能性を秘めている。公立高校は授業料の無償化によりお金がなくても学べる環境を最低限整えた。とはいえ今後、何を目標に、何を選択するかどうかは最終的には校長の判断。学校は学校長でどうにでも変わる。それも視察等で学んだ実態である。次期校長の役割は極めて重い。その人選は今回の学区見直しの成果を左右すると言っても過言ではないだろう。110年史の記載の思いがわかる人が望ましいとだけは言えそうだ。

参考-県議会本会議一般質問
平成22年2月24日 竹内質問と答弁



孫文揮毫の書(合併した兵庫県立神戸高等女学校の講演のため来訪の際に揮毫)。、中国「礼記」の一節。為公会という自民党の派閥(麻生派)の名前の由来でもある。

その後、芦屋市の県立国際高校。


県立学校では唯一の民間人校長(グローリー出身。三年の任期付職員)である多加喜校長から説明を受けた後、質疑応答。

1学年の定員は120人。357人の在校生のうち、出身中学別では西宮市157、神戸市59、宝塚市52人など。国際ということで全県学区であり、姫路からも1名通っているという。国際という名称から全て英語授業とか勘違いされている向きもあるようだがそうではない。高校3年間の学習で卒業してもすぐに国際人としてデビューすることは簡単ではないだろう。大学に進学後、外国へ留学するなどする進路をとる人もいるようだ。ここは同じ敷地に県立芦屋中等教育学校があり、ここは中高の一貫校であり、帰国子女等の生徒も多いという。この2校の役割分担や運営形態の検討などが課題か。

その後、授業見学。


関大外国語学部の奥田教授ら4の大学教授らから体験講義を受講中。

その後、西宮市にある県教委阪神教育事務所。


越田教育事務所長から説明をうけた後、質疑応答、意見交換など。

県下を5地区に分けて、県立学校や教育事務所を中心に調査しているが、議員の質問や意見への応答等についてはそれぞれ個性や適性がある。いろいろ勉強になる。