寒い。電車を乗り継ぎ神戸の県庁。会派の政務調査会。1月の政務調査会は県の各部局から来年度の当初予算要求額の概要と重要施策について説明を受け、質疑応答をする機会。今日から3日間連続で実施される。1部局80分×4×3日。

ちなみに新規事業や金額等は現段階での各部局の予算要求の段階であるので、財政当局に査定され、最終的には知事が査定・決裁したものが当初予算案となり、議会へ提出される。つまり、これから記載するものはあくまで各部局の要求ベースであることを承知置き願いたい。ちなみに他の府県などでは要求ベースから査定結果等まで全てホームページで公表している「予算編成の見える化」を図っている自治体もある。


まず県警本部。平成23年の刑法犯認知件数は速報値で約76,000件とピークの平成15年に比べてほぼ半減。しかし、交通事故死者数は全国ワースト4で2年連続で増加。うち4割超を高齢者が占めている。警察官の定員は全国で626人が認められることとなり、うち13名が兵庫県警分となるため2月議会での定員条例改正をお願いしたいという。

予算要求は、交番3・駐在所5の新築費173,348(千円、以下同じ)、交通安全施設整備費1,595,370(うち信号機全体では約1,000,000だが、新設は36機178,000。新設以外に既存の7千を超える信号の電気代や道路改修による移設改修費用が大半を占める。1機あたり年間維持費は72。ちなみに最も安価な押しボタンだけ[短路]の新設は2,300~2,400、柱4本の単純な信号機で1基3,400~3,500という)かかるという。ニーズの減少した既存の信号の廃止による新規予算の確保ついての質問も出たが、廃止に対する地域の反対は極めて強く難しいという。このほか、新規として小野市内への警察署新設について各種検討のための調査費3,000、サイバー犯罪捜査用資機材整備費10,000など。

その後、企画県民部(企画財政局・管理局・防災企画局・災害対策局)。国の定める地方財政計画では、地方全体の予算規模が81兆円と0.8%減とされ、主な収支では、歳入の地方交付税が0.5%増、臨時財政対策債を含めた実質的な交付税は0.2%増。歳出では投資的経費の地方単独分が3.6%減となっている。総じて公共事業費が増えるような報道をされているが、別枠の震災復興費を含めての話であり、実際とは違った印象を与えている。

この地方財政計画や兵庫県の第二次行革プラン等に則り、昨年10 月末に各部局に対して、平成24年度の予算編成における「予算要求基準」が発せられている。基準における「予算要求枠」は以前から続く10%のマイナスシーリングである。

[予算要求枠]
1 一般事業枠 平成23年度当初予算充当一般財源額の90%の範囲内
2 新規事業枠 30億円
3 個別事業枠 第2次行革プランを踏まえた所要額
(対象経費)
第2次行革プランに個別に掲げる事務事業、特別会計等への繰出金、全額国庫・特定財源事業、その他指定事業
4 その他事業 所要額
(対象経費)
人件費、公債費、税交付金・還付金、債務負担行為設定事業、法令等に基づく義務的経費
5 投資事業枠
(1) 公共事業、国直轄事業、その他の国庫補助事業
第2次行革プランにおける投資フレームの範囲内
(2) 県単独事業
第2次行革プランにおける投資フレームの範囲内
(3) 災害復旧事業 所要額
6 東日本大震災被災地支援・台風災害関連事業 所要額

「平成24年度の予算編成について」より抜粋
参考「平成23年度の予算編成について」

本県の現時点での要求額の合計は一般会計2,054,300(百万円)と前年比3.5%減となっている。県債の償還にかかる公債費が2.7%増、災害復旧費が20.5%増となる一方、人件費や投資的経費の減少があり、総額としては減少する。ただし、特別会計・公営企業会計をあわせた全会計は3,209,300と1.2%増となっている。

企画県民部では、県立大学法人化支援業務38,000(千円。以下同じ)、同システム整備費24,138、近畿2府7県合同防災訓練実施費35,739など。歳入対策として、県有財産・未利用財産の有効活用(一般競争入札による売却・国市町での有効活用など)で79,731も挙げられている。議員側から大阪府の私学への授業料無償化(所得610万円以下)の動きに対する兵庫県の対応は?という質問も。授業料とは別の私学への人件費補助等については逆に大阪府は全国最低レベルに下げていることもあり、財政的な判断のほか、私学・公立の役割分担なども含めて注視していきたいとの答弁も。新規事業が少ないという指摘が議員側から出ていたが、財政難が続いており、財政担当部局でもあるだけにそうならざるを得ないのだろう。

その後、昼食休憩。某の出前弁当。量が足りないとうどんを食べに行く議員も。私もダイエットを考えなければ行っていたかもしれない。

その後、健康福祉部。重点施策として、受動喫煙防止条例(仮称)の制定、症例全県の人材養成・派遣の拠点となる「地域医療活性化センター(仮称)」の整備、ドクターヘリの播磨地域への導入に向けた検討、車椅子使用者利用駐車施設の適正利用や兵庫ゆずりあい駐車場制度(パーキングパーミット)の導入、兵庫県医療計画の平成25年4月の改定に向けた検討などがあげられる。

予算要求では、新規として地域医療再生支援事業費447,761(3次医療圏※1)、認知症医療介護連携強化事業11,679、発達障害児の早期発見等の支援を図るための「こども発達支援センター(仮称)」運営事業費20,643(明石市/県立清水が丘学園管理棟を改築。7月開所。診断診療等を実施するほか、県内市町施設の発達障害・療育施設の情報集約)、授産製品高度化・販路拡大事業費15,263、消費者活動担い手作り事業費10,346、介護保険財政安定化基金の取り崩しによる介護保険料軽減事業5,041,018、同様の後期高齢者医療財政安定化事業交付金3,405,000など。

議員の質問に対する答弁では、地域主権改革に関連して介護施設の設置基準の地方委任に関して、兵庫県は国の基準を維持する方向、関係の市町の意見も聞いて条例化の検討中。乳幼児医療費公費助成など県独自の福祉医療の対象となる所得基準は税制改正の結果によらず平成24年7月以降も変えず対応していく方針は変えないという。

※1地域医療再生支援事業費(3次医療圏)24年度447,761(新規)
県立こども病院(移転?)新築費、大学に設置する「地域医療活性化センター(仮称)」の整備に充当

このほか、地域医療再生臨時特例交付金2,500,000、地域医療再生・医療施設耐震化支援基金4,559,000という国基金・交付金を財源とした地域医療再生支援事業を実施している。

医療施設耐震化整備事業費(24年度は2,955,918)※下記の個別補助額には過年度執行分を含む
兵庫県立淡路病院(災害拠点病院)1,190,000、兵庫医科大学病院(災害拠点病院/救命救急センター)1,190,000、たつの市立御津病院(二次救急医療機関)625,000、仙齢会はりま病院(二次救急医療機関)147,000、製鉄記念広畑病院(二次救急医療機関)712,000、川崎病院(二次救急医療機関)66,400。

地域医療再生支援事業費(2次医療圏)※基本的に地域医療再生臨時特例交付金を充当
県立尼崎病院・塚口病院の統合・新設、三木・小野市立両病院の統合による北播磨総合医療センター整備費補助(両市で構成する企業団議会では1,700,000と算定)。


その後、産業労働部。観光関連で「平清盛」誘客促進事業費64,208。財政難の兵庫県からすれば大きな金額。議員から週末に放送されたNHK大河ドラマ「平清盛」に対するI知事の記者会見での激辛コメントも話題に出されていた。I知事はたまに全国的に大きく報道される発言をする。

このほか、ものづくり大学校体験施設整備費962,080、次世代スーパーコンピュータ推進事業費77,855(全額一般財源)など。新規事業では海外姉妹州などとの交流事業はあるものの、ここで特記すべきものはあまり見当たらない。既存予算のカットの痕跡も見られる。厳しい予算編成となっている。

終了後、県土整備部開発調整室のT室長らと打ち合わせ。その後、会派の議会改革WT。予算委員会の常設化、格上げ等について説明。国で国会の閉会中に一大事あれば予算委員会が開催され、総理はじめ各関係大臣が出席し、与野党に説明する。本県ではそうした議会の機能がない。もちろん閉会中に大事がなかったわけではない。しようにも対応する機能が規定されていない。この際、議員総会や全員協議会など非公式で法的拘束力のないものでお茶を濁すことなく、予算委員会を活用すべきである。国会の良い部分は盗めばよい。

その後、姫路。ホテル日航姫路。連合姫路の新春の集い。労組役員はもとより自治体の首長や経営者団体等の来賓も多く参加。


岸田議長の挨拶


玉田中播磨県民局長から兵庫県自治賞を授与される栗山議長代理

播磨選出の衆議院議員、参院議員全員が国会対応等で不在のため、私が党・議員代表で登壇挨拶。そうした立場を弁えつつ、国政の現状を踏まえ、ここの場で話すということは、いろいろ考える。その後、懇談会。多くの人から、私の挨拶に対する様々な声も聞けた。日々勉強である。