管外調査3日目最終日。栃木県の日光市役所。


日光市役所(合併前の旧今市市役所)。


挨拶する竹内


福田教育次長


鈴木生涯学習課文化財係長

文化遺産の保存・保護について説明を受ける(一部質疑応答内容も含む)。「日光の寺社」場合、世界文化遺産の登録を受けたのは、地元要望よりも先に、国が1992年に暫定登録をしたことが発端。姫路城と同じ年のことである。しかし、姫路が1993年に正式にリストに登録されたのに、日光は1999年となった。その理由は、日光には国宝や重要文化財が103棟もあるが、土地については史跡の網が掛っていなかったことがあげられる。実は、明治の神仏分離令までこれらは一体だったが、分離令の結果、3つの宗教法人に分離された。東照宮・二荒山神社・輪王寺であり、これらは二社一寺ともいわれる。土地所有区分があいまいで共有地もあり、国宝の所有権や利害関係で争いもあった。この合意を何とか取り付け1998年に史跡指定を受け、翌年の登録となった。実は所有権にいては現在も決着していないものも残っている。補修費用は年間6億円程度。国庫補助が半分で県市の随伴補助はない。というのも二社一寺は出資して財団法人(社寺文化財保存会)を作っており、文化財補修の専門職員を雇用しているだけでなく、自前の水道や水力発電施設も保有しているほどで行政が手を出せないくらい強い。国庫補助金もそこに入っている。県や市の行政としては、二社一寺と「史跡日光山内」保存・活用協議会検討委員会をつくり、将来的な文化財の保存対策を推進している。

その後、意見交換。

Q.所有権の確定は裁判にもなっていたと思うが、現在どうなっているのか?
A.泣き竜の所有権は現在も決着していない。国庫補助も、二社一寺が出資する財団法人に入っている。もともと神仏習合で神社も寺も一体だった。(神社の)鳥居をくぐると(寺の)五重塔がある。

Q.文化財保存の専門職人などの人材確保面で心配はないか?
A.若い女性職人も新たに就職するなど心配はない。

Q.災害棟の安全対策はどうなっているか?
A.火災対策設備の整備を実施し、防災対策を実施した。次には、保護のための犯罪対策である。防犯カメラの設置を進めていく。


その後、議会改革の一環として導入された市長部局と議会の対面式議事用を見学。兵庫県議会でも議院内閣制の国会の真似の現行の議場ではなく、導入した方がいい。


対面式の本会議場

その後、現在修復工事中の輪王寺へ。姫路城も修理中だが、こちらの方は10年ほどかかるらしく、外装の建屋は鉄製の強固なものである。


工事用建屋に囲まれた輪王寺。実物ではなく、写真である。

その後、姫路へ戻る。