今日もまた5時頃起床。朝のテレビのニュースは同じ素材を繰り返して放送するだけだから途中で飽きてしまう。8時から試合開始の東洋大姫路のテレビ中継を横目に自宅を出発(県庁に到着したころに逆転負け。残念)。

電車といえば、播但線は定時運行だったが、乗車予定の新快速が京都での事故の影響で運休、間引き運転となっている。相当早く出発していたので委員会開始30分前には着いたが、やはり議会開催日は車で来ないといけないと改めて思う。以前遅刻したベテラン議員が遅延証明をみせていて驚いたが、残念ながら議会では無意味である。県庁に通いだして5年目。車で山陽道を使えば渋滞やトラブルは一切ない。

県庁到着後、文教常任委員会の担当・議会事務局のTさんと委員会運営について打合せ。その後、委員会開会。「特別支援教育の推進」についての閉会中調査。所管の特別支援教育推進課のB課長から説明の後、質疑応答など。

特別支援教育という言葉になじみがない方も多いかもしれない。5年前に学校教育法等の改正により盲・聾・養護学校、障害児学級、通級指導教室で指導を行う「障害児教育」から、通常の学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等を含め、障害のある幼児児童生徒の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う「特別支援教育」へと変更され、県立学校の学校名等も変更された(下記資料より抜粋)。

文教常任委員会の資料

多くの委員から様々な質問や要望が出た(内容等を記録した議事録は後日、県議会の公式HPで発言者名と共に公開されますのでご参照ください)。委員長は自ら質問できないのだが、説明ややり取りを聞いていると知らないこともあり、勉強になることも多い。

「特別支援教育」の質疑終了後、県立高校通学区域検討委員会の通学区域見直し素案に対するパブリックコメント結果等についての質問がある。2,362件の意見(うちネット経由が750件)が寄せられているようだ。現在結果を取りまとめ中で、来月16日の検討委員会で報告された後に、当委員会でも公表される見込み。事前の7説明会で737の意見があったこととあわせ、これまでの県政の課題としては非常に関心が高い。また、18市町から個別の説明の機会も求められているようで順次実施中という。

今日はあわせて(財)兵庫県体育協会の幹部の参考人招致を議決。9月の閉会中調査で参考人質疑を行う予定。

終了後、委員会の管外調査等について、K副委員長、委員会調査担当のOさんと打合せ。東京都の都立高改革結果の検証をメインに検討中。

その後、少し遅めの昼食。昨日県庁付近のうどん屋を取り上げたので今日も「い草製麺所」にいってみる。ところが、水漏れのため臨時休業(笑)。かわりにサービス券を頂く。更に「うどん」を求め県庁東の宙屋。釜玉うどん。


県庁東の宙屋の釜玉。黄身が別盛りで供されたのは初めてかも。

その後、議会大会議室。県議会私学振興議員連盟の面々と(社)兵庫県私学総連合会との意見交換会。県立高校の通学区域見直しについて総連合会の役員の発言を聞いていると私学の皆さんの生き残りをかけた必死さが伝わってくる。そもそも少子化の進行が背景にある中で、近年の「加算点付きの複数校志願制(第一、第二のほかその他も志望できる)」の導入によって併願者の入学比率も低下しているという。複数志願を導入した意図は、第一志望で失敗したとしても他の公立校で救済しようというもの。私学側が主張されることはよくわかる。しかし、学区の統合については全てが反対ということではなく一定の必要性については理解されているようだ。

とはいえ淡路学区と神戸の3学区を統合することについては強い異論が出された。県議側の意見では、淡路は神戸でなく明石と統合すべきではという人もおられた。明石海峡大橋の開通以前の、船で移動する時代は淡路と明石の関係は深かったのだろうが、今や路線バスで神戸を結ぶ交通網が整備され、明石よりも神戸との関係が深くなっているのは周知の事実。確かに上位層のストロー現象が起こる可能性は否定できないだろう。

しかし、県議会に話がないとか、急に決まったとかいう趣旨の発言をされる議員がいたことには耳を疑う…。議会と言えば、昨年6月に私が県議会本会議の代表質問で取り上げ、導入時期等についても「早ければ平成25年度から」などと説明があったほか(現在は「遅くとも26年度から」ということに変わっている)、他党の議員も一般質問で取り上げている。また、文教常任委員会では、先月の閉会中委員会で学区見直し素案について説明を受け、質疑も行っている。今日の委員会でも取り上げられた。

「兵庫県高等学校通学区域検討委員会」は、『平成20 年2月に策定した「県立高等学校教育改革第二次実施計画」に基づき、生徒の希望状況や新しい選抜制度の導入、市町合併、交通手段の発達などに対応した学校選択の幅が確保できているのかという検証を行うとともに、全県的な通学区域の見直しも含めた今後の通学区域の望ましい在り方について検討する』ために、教育関係者の代表を含めて設置され、平成21 年8月に第1回委員会を開き、昨年4月の「中間まとめ」公表などを経て、この6月に素案を公表し、9月に取りまとめることとなっている。検討委員会のHPは逐次情報提供が行われており、議論の内容もネット環境にある人なら全て見ることができる。議員で知らなかったなどと言うのは恥ずかしい話だ。

兵庫県高等学校通学区域検討委員会のページ

最近、前日までに資料等の提供を受けているのにもかかわらず、周知の基礎的な事実を質問する光景を見て、今期もがっかりしたのだが、またテンションが下がる。


(社)兵庫県私学総連合会との意見交換会

また、議会云々といってみたものの、パブリックコメントの件数の多さと県議会の関心の度合いは比例しているだろうか。先月の文教常任委員会や本会議等の議事録を見ていただければわかるが、実際はほとんど取り上げられていない。

当日記ではここ1ヶ月の間に県政報告の機会が度々あったことを記してきたが、実は全ての機会でこの問題を説明し、質問や意見交換する時間をとった。残念というべきか、この問題についての質問や意見は全く出なかった。私の場合、この間、県政報告とは別に多くの方と会っているが、ある懇親会の際に中学生のお子さんがいる当事者1人から、行きたい学校の人気が高まり入りにくくなるから反対と言われただけ。関心が保護者をはじめとする当事者に限定されているようだ。そして、多くの当事者は制度を見直す必要性を感じないことも。だからパブリックコメントの意見の多くが当事者のもので賛成意見が少ない結果であろうことは容易に想像がつく。

加算点付の一次志望、二次志望、その他志望まで一回の入試で合格可能という複数志願制度は、相当なセーフティーネットであり、これを先行して導入してきたことで、競争性は低下してきている(いきたい学校に行ける比率が高まっている)。もちろん高校の場合、進学は任意といいつつ100%近い進学率なのだから、浪人をつくるほどの競争をさせる必要もないが、加算点付き複数志願は義務教育の延長を制度的に担保したと言えるだろう。一方、競争性を確保すべきところもあろう。今回はその点の改革ということもいえるかもしれない。

このセーフティーネットの導入と学区統合という既存序列の見直しはある意味セットと見なければならない。否定的な人の中に、地方と都会の人口集中等の論点や交通費、部活等の議論を持ち出す人がいる。これは日本社会の人口減少、都市部への人口流入と同じ構図ではあるが、実際はこどもたちが受ける教育の本旨とは別の話。別途措置される話であろう。学力向上という高校の最大の設置目的を踏まえ、リーダー層の教育を過度に私学に委ねている状態をはじめとした本県の公私の役割分担のアンバランスな状態がこれからもずっとそのままというものでもないだろう。

公立高校は無償化もされた。経済的には奨学制度等を合わせて活用すれば真に誰でも高校に行ける国になった。恵まれているとはいえない家庭に育った人でも、例え塾にいけなくても無償で高度な教育を受けられる環境を確保しておくことは大切なことではないか。委員会メンバーにも、議員にも、真の当事者である子どもたちは入っていないし、意見を言う立場にもない。この子どもたちの将来にとってどんな教育環境が日本に必要かということも踏まえて結論を出すべきだ。日本の世界の中での地位は確実に低下している。優秀ないい人材を育てておかないと更に国は危うくなる。

とはいえ50年間も誰も大きな改革をしてこなかった後の見直しである。そんなに簡単に変えられるものではない。丁寧にことをすすめ、他の都道府県の改革の成功事例等も学び、これからも必要な改革は進めるべきだろう。

終了後、諸雑務。その後、ホテルオークラ神戸。県庁稲門会。昨年は慶応と合同開催だったが、今回は神戸市職員の皆さんとの合同開催。毎年面白い取り組みである。そのほか教職員、早稲田率が高いマスコミの皆さんにも出席いただく。職員の皆さんの大半が先輩という中で、議員ということで私にも挨拶の機会もいただく。昨年初めて参加という若手やなんと平成生まれという方も! 司会も若手(といっても私の2つ年上)のYさん、最後の校歌の指揮は平成17年入庁のBくん。来年はもっと多くの若手の人に参加してほしい。その後もいろいろ懇談。


県庁稲門会の大鳥会長のご挨拶