vol.67     祭りと片麻痺者



祭り。

祭りは大好きだ。

出店が並び賑やかで楽しい。 

40過ぎのいいおっさんになってもワクワクするものだ。


地域の七夕祭りがあるとの噂を聞き、七夕なんてそんなロマンチックな心は持ち合わせてはいないが、行く事にした。

なんせ、40過ぎなんで酒が呑めれば何でもいい。。

ゆっくり、少しの距離なら杖を使わずに歩く練習も最近始めたところだ。


小雨が降る中、到着。

大きな七夕飾りは雨天中止になってしまったが、

屋台がずら〜〜〜っと並ぶ。

それらをゆっくりと見ながら、愉しむ。

左手に傘をさしながら。


途中、小雨に濡れたタイル張りの地面に滑りそうになり、

「酒呑んでたら転んでたな。。やはり右半身麻痺者だと危ないなー。」

と思った。

食い歩きは祭りの醍醐味みたいなもんだが、

右手は麻痺で使えない。

左手は傘。。。。。


。。。

楽しめて。。ない。。。

  

飯も食えない、酒も呑めない、歩くのも危ない。

ついでに、今は食事制限がかかっている。。

『四面楚歌』とはこのことか。。。

(しめんそか・周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないこと。また、そのさま。孤立無援。)



と思っていたが。。。

屋台が見える居酒屋のカウンターで、

無事、生ビールと刺身を頂くのでした笑