新幹線停車駅への旅客業務集約化~黒磯・白河駅の”営業任務”終焉 | なすののぞみ備忘録【更新停止】

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永らくお読みいただきました事、心より御礼申し上げます。

【上野東京ライン開通による、宇都宮線遅延の恒常化】

既に湘南新宿ライン運転開始で、遅延が拡大し易くなってはおりましたが。上野東京ラインが追い打ちを掛けた形で、終着駅まで遅れを回復出来ないケースが増えています。


【宇都宮駅分断と、新幹線接続】

宇都宮以南15両、以北4両基本の、宇都宮線分断。
とはいっても、15両が活躍できるのは、大規模な車庫のある小金井以南。
宇都宮まで来た夜の15両は、ほとんど小金井まで回送を余儀なくされます。
幸い列車本数が多い為、小山や小金井で運転を打ち切る事により、宇都宮線宇都宮以南の遅延発生時のダイヤ回復は、スムーズに進みます…宇都宮以北への犠牲を伴って。
とはいえ、宇都宮駅は「東北新幹線」メイン。宇都宮線・宇都宮~黒磯間の電車と新幹線の接続が悪くとも、4両で慢性的に混雑しても、新幹線乗り換え客は我慢を強いられる。


【意外な「東北新幹線」接続の実態】

宇都宮線・黒磯~宇都宮間では、20分も待てば東京行新幹線がやって来る宇都宮駅はともかく、1時間1本停車基本の那須塩原での新幹線接続さえ考慮されていない時間帯が多い。
結果、西那須野以南の新幹線利用客は多くが宇都宮駅に集結。
それでも、週末や朝夕は新幹線利用客で混雑する那須塩原駅は、潤沢に供給された低価格駐車場を背景としたマイカーや、送迎車・バスで集客している状況です。

少数とはいえ、仙台方への新幹線利用客も存在する栃木県北。
実は、黒磯や黒田原駅から新白河駅でやまびこ仙台行きに接続を取る東北線が複数有り、また仙台方からのやまびこから接続を取る例もあります。
逆に、矢吹駅以北からの新幹線利用は、郡山駅に誘導されているのが、東北線のダイヤから垣間見えます。

…宇都宮~(那須塩原)~新白河(一部白河、郡山入出庫)という普通列車の運行形態が実現すれば、高校生通学客の大幅な減少に一定の歯止めが掛かり、新幹線誘導=新幹線駅への業務集約が可能になるメリットがありそうです。


【実録・宇都宮線遅延での東北線終電振替輸送】

上野発の宇都宮線通勤快速(週末は快速ラビット)。
夜19時台の便は、宇都宮、黒磯乗り換え(福島行)で郡山へ行ける最終。
20時台の便は、同じく宇都宮、黒磯乗り換えで白河行きに接続する最終。

実は、19時台の快速。宇都宮駅での接続(2分)にかなり無理がある上、接続する宇都宮発黒磯行が、黒磯駅から「宇都宮行上り最終」となり、宇都宮駅で「宇都宮線上り最終・大宮駅行」に接続。(大宮からは京浜東北蒲田行き最終に接続…)
宇都宮駅で遅延した快速を待つ余裕は無い列車なのです(しかも性能の良く無い205系使用)。

当然ながら、青春18等のフリー切符では、遅延時の振替輸送はしてもらえません。

しかし、白河や郡山等、目的地を明示してある乗車券を所持している乗客は、必ず輸送しなければなりません。


【チェックポイントは宇都宮か新白河】

私が新白河までの乗車券で、上野発19:29発「快速・ラビット」を利用した時の事。
上野東京ライン遅延の影響で、宇都宮到着まで回復出来るかギリギリの状況。
しかし、追い打ちをかけるように小山手前で踏切支障orz
結果、踏切支障での急停車分、15分遅れて宇都宮到着。

さすがに郡山に行ける終電接続だから…と思ったら、黒磯行きは前述の”曰く付き”電車のため、ラビットを見捨てて発車済み。宇都宮駅での接続案内も全く無し。
勝手知ったる乗り継ぎ客は、有人改札や新幹線乗り継ぎ改札へ~新幹線振替をリクエストしていた模様。

状況がわからない乗客や白河までの乗客は、とりあえず次の黒磯行きに乗車。白河行きの終電はまだ接続可能なため。


【黒磯分断の功罪~大宮支社と仙台支社縦割露呈】

「この電車が終点黒磯駅で接続します、東北線・白河行き最終電車は、本日に限り新白河止まりとなります」
???何が有った???
宇都宮発車直前の、黒磯行車掌氏から、意味不明なアナウンス。

私は目的地が新白河なので、帰宅が1時間送れるだけで問題ない。白河までの乗客も数人のはず。

ところが、列車が黒磯駅に到着し、東北線ホームに移動すると、状況は一変!
東北線黒磯行最終で、新白河駅から派遣されたと思われるJR社員が数人待ち構えていた!!

『この列車は白河までしか行きません!郡山方面に向かわれるお客様は、新白河駅到着までにお申し出ください!!』

???終点の白河じゃなくて、新白河駅で対応?新幹線の終電もう無いよ?それより黒磯駅の案内アナウンスなんで無いの?


…本来なら宇都宮駅で「郡山・福島までの新幹線振替」を案内しておけば、新白河駅係員が出張って来ることも無かったでしょう。
しかし、週末夜の宇都宮駅改札は「精算ラッシュ」の大行列。

結果、宿泊する運転関係の社員しか居ない黒磯・白河駅対応でなく、旅客担当社員常駐の新白河駅で、タクシー振替輸送という瀬戸際の救済になったわけです。

東北新幹線開通から33年余。
新幹線停車駅への旅客業務集約の本格化を実感する出来事でした。