推薦入試、と言いましても、私立と都立でその位置づけは違います。
2.
一部の難関私立を除けば、私立の推薦入試は、合格確実です。
高校の定める内申の基準を満たしていれば、落ちることはまずありません。
1月22日に面接や作文がありますが、よほど問題がない限り、不合格になりません。
過去の結果を見ましても、受験者全員が合格している学校がほとんどです。
(不合格者が1名だけ出ている学校は確かにありますが、よほど問題があった場合です)
推薦入試に受かった場合は、入学しなければなりませんので、
高校からすれば、確実に生徒を募集できる手段です。
それに対して、一般入試では、受験者がどれだけ集まるもわかりませんし、
合格者を出してもどれだけ都立不合格になって入学してくるか、何とも言えません。
いわば、入学者の安定的確保のための手段になっているとも言えます。
3.
都立の推薦入試は、概ね、倍率が男子3倍、女子4倍です。
多くの中堅以下の私立が生徒数確保が経営上きわめて重大な課題であるのに対して、
ほとんどの都立高校ではこれは問題になりません。
いかにいい学校を作る上で適した生徒を採れるか、というのが最大の狙いになります。
都立も成績上位の学校には、中学校で意欲的に様々な活動に取り組んでいた生徒が多いですが、
下位の学校には消極的な生徒が多くなる傾向があります。
高校としては、積極的に活動に参加する生徒が欲しいです。
生徒会活動やイベントなど、主体的模範的に取り組み、創造的な取り組みをする生徒が
いれば、学校にも活気が生まれます。
個人面接・集団面接・作文で、そうした高校が欲しいと思う生徒が合格しやすくなります。
この点が顕著な差になって出るのが集団面接で、合格を目指す場合は頑張りどころとなります。
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4.
以下、受験に関係ありません。
5.
戦後数十年間の高等学校を巡る最大の問題は、量的な整備だったとされています。
戦前は高等学校というのはごく一部のエリートのための教育機関でしたが、
戦後抜本的に制度が変わり、基本的にすべての層に開かれることになり、
高校進学率は、1970年代には90%を超えることになります。
数十年間、爆発的に教育需要が拡大し続けた訳で、
これに対応するハード面の整備が最大の課題でした。
そうした教育環境の整備が、高度経済成長を人的資源供給という側面で
支えたというのは通説的な評価で、詳細は議論の余地が残るにしても、
世界的な偉業といえることは確かで、先人達の粉骨砕身の努力に
熱いものを感じざるを得ません。
6.
高校入試における推薦入試は、学力以外の多様な人材評価という観点から
導入されたものですが、その位置づけは、時代の変化とともに、変容してきています。
上で見たように、都内私立高校の大半は、推薦入試を、経営安定化の方策として
活用している実態があります。
また、都立の推薦入試と言えども、内申書の評価で半ば決定されてしまうのが実情で、
以前は内申書評価が中学生を追い詰めていると批判されましたし、
2000年代以降の脱ゆとり路線においては、学力向上を妨げるものとして、
推薦入試を廃止している県もあります。
7.
それほど言い立てるほどの問題ではないのですが、
現在の私立高校の推薦入試の方法というのは、如何なものか、という印象を持っております。
(最近は大分批判されていますが、私立の大学受験でも推薦入試は問題です)
塾としては生徒を高校進学させなければなりませんので、
様々に優しくしてくださる高校の入試担当先生方には感謝の思いでおりますし、
そうした入試担当先生方がより良い高校づくりのために尽力されているというのは
痛いほどわかるのですが、もう少し制度面がフェアであるべきかな、
と、この辺りはあまり具体的に書けませんが、思うところです。
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