A子ママ「いよいよ、受験間際になってきました。直前のことで教えてほしいのですが。」
塾教師「はい。」
A子ママ「脳にはブトウ糖が必要だと聞いたことがあるのですが、テスト前に何かチョコとか食べさせた方がいいですか？」
塾教師「朝ごはんを少しでも食べていれば、その必要はありません。分量的には、おにぎり1個（パン1枚）程度で全く問題ありません。午後受験にしても、同様で、少し口にしていれば、問題ありません。お腹減っていたって、頭は働きます。最悪、まったく食欲がないような場合は、アメを1個くらいなめさせればいいと思います。」
A子ママ「わかりました。それと、前日、なかなか寝付けなくて、睡眠不足になってしまった場合はどうしましょうか。」
塾教師「それは、もうどうしようもないですけど、結果にはほとんど影響しませんから、心配ないです。ただ、午後受験もある場合は、眠くなる可能性がありますので、お昼ご飯の後に、少し目をつぶる時間をとってあげるといいと思います。といっても、2週間くらい前から、本番に合わせたサイクルで生活していますよね。」
A子ママ「ええ。」
塾教師「それなら大丈夫ですよ。いつ試験になっても大丈夫、という気持ちで日々を迎えていれば、多少緊張したって大丈夫です。ま、そもそも、子どもはへっちゃらで、親の方がハラハラドキドキしている、という場合も多いと思います。どっちにしても、普段どおりでいいんです。本番といっても、何度も模試を受けているわけで、それと似たようなものですから。」
A子ママ「わかりました。普段通りで行きます。それから、学校のホームページで、出願者数が日々公開されているのですが、それを確認してから、出願した方がよかったんでしょうか？」
塾教師「それは気になさる必要ありません。仮に初日に出願数が多かったとしても、翌日の出願数が減るだけかもしれません。決めた併願パターン通りに出願すればいいです。」
A子ママ「わかりました。それから、当日の朝、校門前に応援に来てくれますか？」
塾教師「私は、どこにも一切、行きません。」
A子ママ「でも、大手塾の先生は、校門前に陣取って、試験会場に入っていく塾生に握手する、っていうのは、中学受験の風物詩じゃないですか？」
塾教師「あれは、大手進学塾さんのパフォーマンスです。最後のエネルギーを送る、なんて言いますけど、宣伝ですよ。マスコミへの露出が相当に期待できますから。私は、毎年一切行きませんが、毎年のように、模試の合格可能性では厳しい学校に合格する生徒がいます。大手塾さんだって、握手したのに不合格になった、という生徒は山のようにいます。直前の握手一つで受かってしまうような甘いものではありません。」
A子ママ「わかりました。でも、子どもたちは寂しくないですか。」
塾教師「来ると期待していたら寂しいでしょう。私も自分が受験した時は、自分の塾の先生が来てくれるんじゃないかと期待しました。仮にも、最難関校を受ける訳ですから。でも、誰もいなくて、がっかりしました。でも、合格しました。
A子さんには授業で申し上げますので、大丈夫です。校門前に、他の塾の先生方がいても、私はいないので探さないように。自分の力を信じて受験するように。受験は、直前の握手一つで成績が変わるような甘いものではない、と説明します。」
A子ママ「わかりました。最後に、本番前に、食べておくと、勇気が出てくるようなメニューってないですか？」
塾教師「あ～、めざし、がいいと思いますよ。」
A子ママ「めざしですか？」
塾教師「ええ、合格”めざし”てがんばろう！、とハゲまされますよ！」
A子ママ「このハゲ！いい加減にしろ！！！」
塾教師「ひぃ～～～！」
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