誤解が生まれやすい部分かもしれませんが、先の行動遺伝学の知見は、主に双生児による検証から得られたもので、
親子の優秀さの関連性から導かれたものではありません。
親の優秀性と子どもの優秀性とは、広く知られている通り、一定の相関関係があることは様々な調査から
言われていますが、行動遺伝学の知見によってもたらされたものではありません。
(一般的には、遺伝要因もあるかもしれないが、優秀な親のもとでは学業成績をあげるための
いい環境が用意される傾向が強く、そのことが子どもの優秀性につながっていると解釈されることが多い。)
遺伝のしくみは実に複雑です。両親に共通して見られる形質が子どもにはどういう訳か見られない、
ということは珍しくありませんし、両親に見られない形質が子どもに見られる、ということも全く珍しくありません。
ですから、親の偏差値と子どもの偏差値は、必ずしも関係ない、と基本的には考えるべきだと思います。
たしかに、優秀な両親から優秀な子どもが生まれる可能性が高い訳ですが、
並み以下の子どもが生まれることもあります。
逆に、平凡な両親から、優秀な子どもが生まれることもあります。
関係していることが多いとしても、関係ない場合も多々ある、という認識が必要です。
しばしば親の優秀さを誇示するために、子どもをせっせと勉強させる、子どもをよその家庭に負けないように
勉強させる、というケースがあります。
周囲のご家庭に対しての見栄なのか、義理の両親に対するプライドなのか、わかりませんが、
いずれにしても利己的な態度で、不幸な結果を招くことが多いと思います。
遺伝のメカニズムは極めて複雑です。両親に見られない形質が子どもに見られることは珍しくありません。
このことを謙虚に受け入れるべきではないかと思います。
やや脱線になりますが、自分の子どもが優秀でさえあれば、他の子どもを少々バカにしても
構わないというような態度ですと、子どもにもそのような考え方が染みつき、点数の低い周囲の生徒を
バカにするようになります。少なくとも男子進学校ではそういう点数を自慢しようとする生徒がいじめのターゲットに
なりやすいということがあるようで、そういう意味でもやはり気をつけた方がいい点だと思われます。
繰り返しになりますが、子どもが優秀ではないからといって、それを親の責任だと決めつけるのは正しくありません。
大きなハンディキャップを背負って生まれてくる子どもたちもたくさんいます。
一昔前まではそれを親の責任と見なす風潮がありましたが、どうなのでしょう。遺伝には偶然の要因が相当にあります。
逆に、子どもが優秀ならば、親が優秀だからだ、というのも短絡的で、これも偶然の要因があるわけで、
天からの授かりものだ、というくらいに謙虚に考えるべきだと思います。
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