白夜の 路
走る道は 冷気まじりの湿れる夜駆けずり 巡る 仕事が終わり後 少し経てば 明日がくる夕方から 降り続いた雨も疲れたのか 眠くなったのか帰る頃には 十四夜の月が天にある田には 植えたばかりの小さな 稲が 眠りに就こうとしている雨上がりの 田にはやかま しいほどの蛙が ないている静寂と 蛙の声とが十四夜を 協奏曲のステージを みせてくれる天から 注ぐ 月明かり水の張った 田に輝いて 不思議なステージを創り出しているもう 疲れ切った この身体は 帰宅を 急ぐもし 時間だけが 止まっていれば それはきっと留まって そこで風景を絵に 書き留めたいそんな 衝動に駆られていた時間は 誰のものなんだろ天のものか それとも地のものか目に見えぬ 実と 虚との界に ただよっている夢空のなかに 冷酷な程厳格に 刻みゆくものそれに 縛られて動けぬ 自らを感じながら 帰宅を急いでいるあ々 なんと 切なかろなんと 虚しかろ短い 時を 刹那に生きるきっと それこそが人の 生命なのかも知れない短いから 一瞬のなかに無限の 時を 感じるのかもくだらん事を 考えながら白夜の路を 駈けていた