三和 導代 です。
ピグミー族はアフリカの中央部の熱帯性気候、つまり年間を通して気温は高く降水量も多く乾季と雨季に分かれた森の住人です。身長が私よりもずっとも低い人々です。私がピグミー族の村に滞在したのは今から4年ほど前のことでです。彼らの生活の柱は、狩猟・採集で、狩猟には弓矢や槍を用います。一方、女性は森の中でイモ類や果実を採集するほかに、薪集め、水くみ、食事の用意をします。
家はやはり丸形のドーム型のテントのような形をしており、床広さは縄文の家よりは小さい直径3m位、高さは1.5mの大きさです。ピグミー族が小柄ですが、それでも家の中でも十分に背が伸ばせない高さです。
家を作るのは女性の仕事です。家の素材は直径2cm、長さ2~3mくらいの細い20~30本の木です。栗の木のような立派なものではありません。ツル植物、茅の代わりに何百枚もの森の大きな葉を土台となる木にツル植物で巻き付け固定していきます。家は居住地を変えたとしても再利用でき、最後には土にかえるエコシステムの家です。
また縄文の家と同様に夜、家の中央に薪を持ちこんで火をおこし、たき火のそばで家族が身をよせ合って眠ります。アフリカと言っても森では、日差しの厳しい昼間は30℃以上になりますが、日が沈んで明け方近くになると15℃以下に冷え込むこともあります。こうした寒さをしのぐため、あえて家を小さくしているのです。天井を高くして家の内部を広くすると、家の中が暖かくなりません。毛糸のカシミアのセーターなどはありませんので。入口もできるだけ小さくして眠り、体を寄せ合いながら家族が一緒に眠ります。早朝に家から立ち込める煙が印象的でした。
縄文時代の竪穴式住居を彷彿させる家です。家の中央に位置する炉はなくてはならない貴重な存在です。縄文の人々もピグミー族も大自然と一体であるアニミズムの世界で生きる人々です。