三和 導代 です。
今日は日本語の授業の後に都内にあるエチオピア大使館に久々に行ってきました。エチオピアの渡航のためのビザの申請のためです。
エチオピアとは縁がありこれまでの渡航は10回以上となりますが、ビザの取得は現在ではエチオピアの空港にて可能なため日本で取得する必要はありませんが、今回はマルチビザ(複数回利用可能なビザ)を取得のために久々に大使館に足を運びました。
ビルの大きな一室がビザ受け取け専用の部屋となっています。数年前に訪れた際には日本人の女性が窓口で対応されていましたが、今日はエチオピア人の女性です。キャリアが長そうな方で、日本語で対応してくださいました。意思疎通はまったく問題ない日本語力です。どこで日本語を勉強されたのかな?などとふと考えていました。
私が着いた時には、先客のまだお若い20代前半と思われる男性が申請書に記入して際中でした。私の書類は既に記入済みでしたので、受付をしていただき、お金の支払いを待っていていました。
するとエチオピア人の女性が少し離れたところで背を向けて新聞を読んでいた先程の男性に名前ではなく、「旦那さん」と呼びかけたのです。「旦那さん」?????、もちろんその若い男性は振り向きませんでした。そこで私が、「呼ばれていらっしゃいますよ。」とその男性に声をかけてあげました。
「旦那さん」という言葉は普段は夫に対して、「うちの旦那」とか「お宅の旦那さん」という言葉を使いますが、このエチオピア人が発した「旦那さん」という言葉がとても印象的に残りました。
かつて小説の中で、旅館の女中さんが名前のわからない宿泊者に話しかける時に、親しげに「旦那さん」という呼称を使うシーンを直ぐ思い出しました。しかし、確かに今は男性に対して「旦那さん」と呼びかけることはなくなっています。
おそらくこのエチオピア人の女性は丁寧な日本古来の日本語を勉強したのではふと思いました。外国に行きますと、非常に流暢な日本語を話される方がいらっしゃいますが、その中でも丁寧なそして敬語をきちんと使われる方の日本語を聞いていますと、とても尊敬の念を覚えます。日本語の特徴の一つに相手によって言葉遣いが変わるというのは外国人にとっては非常に難しいことかもしれません。
my husband は日本語で「うちの旦那」「私の旦那さん」「うちの主人」「うちの夫」などなど限りない言い方があります。「旦那さん」という言葉、夫という意味でなく、男性を呼ぶ呼称としてとても古典的な「旦那さん」を久々に耳にして、なぜか、ほんわかな暖かい気持ちになりました。