早くも令和元年が終わろうとしている。

 

時代が変わる令和元年は、第4次安倍内閣において国務大臣を任命いただき、30年に一度の元号が変わる式典等への出席など、貴重な経験をさせていただいた1年となった。改めてこの1年間、温かいご支援を頂いた皆様に、心からの感謝を申し上げたい。

 

さて私に与えられた担務は国家戦略を担当する内閣府特命担当大臣として、科学技術政策(科学技術・イノベーション、原子力政策、健康・医療戦略、日本学術会議、遺棄化学兵器処理)知的財産戦略、クールジャパン戦略、宇宙政策と幅広く担っている。

今後注力したい1つに科学技術政策担当大臣として日本の科学技術をどのように伸ばしていくかという任務がある。幸いなことに今年も日本からリチウムイオン二次電池の発明者の1人である吉野彰先生がノーベル化学賞を受賞された。

 

 

 

また昨年も京都大学名誉教授の本庶佑先生が癌を治療する画期的な免疫療法を確立しノーベル医学生理学賞を受賞された。

 

これで今世紀ノーベル賞を受賞した日本人は20人となり、米国に次ぐ2番目の多さとなった。このことは誇るべきことだ。ただ、米国は200名以上の受賞者を出しているのに比べて日本は25人であり、今後はより基礎科学にも業績を残せる体制にしていかなければならない。

 

先般、全国の理工系の大学院の学生に集まっていただき、基礎科学に打ち込む中でどういう苦労があるのかを伺った。

 

特に多い意見としては、身分が安定しない、給料が安いため将来の設計が立てにくい、

博士課程を修了しても仕事に就くのが難しい、こうした不安の声を聴いた。

 

私は担当大臣として若者が安心して研究に打ち込むことができる環境を作ることが仕事だと考え、来年科学技術大賞を作りノーベル賞にいかないまでも一定の素晴らしいアイデアでなにか工夫をされた研究者の方には科学技術大賞(仮)、総理大臣賞などの賞と賞金を与える仕組みを検討している。これを行うことで研究者の励みになればと思っている次第だ。

 

また論文数が非常の少なくなっていること、昔と比べて博士課程に進む人が増えたことに加え、博士課程を修了しても仕事に就くのが難しいこと、そうした問題をより解決していくことは、将来日本のノーベル賞受賞者の数を増やす為にとても重要である。

 

いずれにしても資源のない小さな我が国にとって“知恵”は、大切な資源だ。

 

 

したがって科学技術を伸ばすことによって日本の生きる道を模索していくべきであろう。かつて昭和30年代、

 

工業立国として飛躍するために当時の政府は徹底的な教育体制を訴えていた。おかげで高度成長が成功し、豊かな日本へと成長していった。

 

私は今後も担当大臣として科学技術人材を育てていきたいと考える。

2019年 ご指導ご鞭撻をいただいた皆様に感謝を申し上げると共に、

来年も皆様にとってご健康で幸多い1年であるよう心から祈念している。

 

令和元年12月

衆議院議員 竹本 直一