わたくし竹本直一は「交通安全議員連盟」の事務局長として、交通安全施策に長年取り組んできました。今年の春の交通安全週間のさいには、交通安全キャンペーン周知のために、加藤勝信担当大臣とご一緒に、議連のメンバーでビラ配りもしました。

 交通安全議員連盟の活動をひとつ紹介します。昨年の2月に、交通安全議員連盟から当時の国家公安委員長の河野太郎先生宛に、自動車事故の処罰に関する法律を適切に運用するよう求める要望書を提出しました。

 

 

 その要望書提出の背景には、ある痛ましい事件がありました。
 

 自動車事故についてはかねてより「危険運転致死傷罪」と「自動車運転過失致死傷罪」の量刑に大きな格差があり、事故の結果に見合った量刑を科すことができない、という指摘がなされていました。危険運転致死傷罪では、致死だと「1年以上20年以下の懲役」、致傷だと「15年以下の懲役」である一方、自動車運転過失致死傷罪では「7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金」となり、その格差が問題視されていたわけです。

 その格差を埋めようとし、平成25年には法律がひとつ成立していました。「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」です。この法律により、危険運転致死傷罪の規定が整備されたほか、アルコールの影響の発覚を逃れようとした者に重い罰則が科されるなど、より実態に即した罰則が整備されました。

 ですが、この法律の施行後にその運用状況を確認してみると、当初の目的は適切に達成できていないようでした。危険運転致死傷罪の適用要件である「正常な運転が困難であったこと」の証明が難しいため、結局、悪質な事故に適切な罰則が科されないということが続いていたのです。

 そうした中、平成27年の5月、大阪市中央区のアメリカ村で3人が死傷する痛ましい飲酒運転死亡事故がありました。この事件では、地検は当初「正常な運転が困難な状態と立証するには状況証拠が乏しい」として過失致死傷罪で起訴していました。結局、遺族の方々の活動により上申書が提出され、危険運転致死傷罪へと訴因が変更されましたが、本来はこのような活動をせずとも悪質な事件には適切な厳罰が科されるべきです。先に成立した法案もまさにそこを目的とするものでしたが、まだまだ適切な運用がなされていないのが実情だったのです。

 今回、我々の議員連盟から提出した要望書は、こうした状況に鑑み、先の法律のより適切な運用を求めるものでした。
 

 何事も厳罰化をすればよいというものではありませんが、飲酒運転の危険さについては、まだまだ人々の理解が行き届いていないところがあります。飲酒運転による事故は、減少傾向にありますが、いまだに全国で見ると飲酒運転が数多く行われているのが実情です。飲酒運転とは非常に危険な行為であり、厳罰が科される重い罪なのだということを周知徹底しなければなりません。そして、「飲んだら運転しない」を当たり前のものとする社会を作っていかなければなりません。飲酒運転事故を減らすためには、何よりもまず人々の意識改革が必要なのです。「酒を飲んだら運転は絶対にダメだ!」。わたしはこれを、しつこく言い続けます。


 一時は1万人を超えていた交通事故死亡者数は、各種団体の活動もあって、ここ最近は4000人台にまで下がってきました。その点では、交通安全社会に向けた様々な取り組みは、成功していると言っていいでしょう。痛ましい事故が二度と起こらないようにするための仕組みを作ると共に、関係各省の取り組みをしっかり監督・指導していくこと、これが我々の仕事だと考えています。わたしは交通安全議員連盟の事務局長として、安全な社会を目指してこれからも活動していきます。このブログを読んでくださった皆様も、飲酒運転撲滅に向け、あらためて周りの方々への啓発をよろしくお願いします。

 

 

【2017衆院選での私の公約はこちらの記事にまとめております。】

党のマニフェストとは異なる独自の方針を多数盛り込んでおりますので、ぜひご覧ください。

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