先般、外国人参政権を認める法案について民主党の小沢幹事長が今国会に提出するといった報道がなされました。
私は、この法案成立は非常に危険なことだと考えており、以前より外国人参政権については反対の立場でありました。

 そもそも、外国人参政権とは何かと言うと、その国の国籍を有しない外国人に付与される参政権を指します。
現在、日本においては日本国籍を有しない外国人には、法律上参政権が与えられておりません。
諸外国はどうなっているかと言うと、国政レベルの被選挙権(立候補権)は、どの国であっても認められません。

国政レベルの選挙権(投票権)は、特定の国籍に限って与える国があるものの、数ヶ国に留まっております。
地方レベルの被選挙権(立候補権)は、認められる20ヶ国ほどがありますが、付与条件は国によりまちまちです。
地方レベルの選挙権(投票権)は、認められる20ヶ国ほどがありますが、これも付与条件は国によりまちまちです。

このように、諸外国を見てみても、外国人参政権を認めている国はほとんどないのが現状です。
外国人に対して、国籍にかかわらず国内全体で地方自治の選挙権または被選挙権を与えている国は、22ヶ国ですが、これらの国々も国籍や滞在期間、在留資格などで参政権を与える外国人を制限していいます。

世界の190ヶ国余りの中で外国人に参政権を認めている国は4分の1以下であり、認めている国は、長期間外国人労働者を誘引する政策を採用していたなどの特別な理由がある場合のみです。また、ヨーロッパ各国が外国人地方参政権の付与に積極的に見えるのは、欧州連合という枠組みにおいて、国家間の政策や協力により一致結束して実行するためで、ヨーロッパでは付与対象者の国籍をEU加盟国に限るとする国が多数となっているのです。

 日本国内では外国人参政権は一切認められておりません。日本国憲法第15条は「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めています。

これまで外国人によって訴訟が行われておりますが、訴訟では、全てで原告の外国人側が敗訴しており、参政権の付与は憲法違反の可能性が高くあります。また、最高裁判所も判決により、国政レベルの外国人参政権については、最高裁判所は否定説に立っております。

 地域によっては、元々人口の少ない町や村もあり、地域によっては、在住外国人の人口が24%に及ぶところもあるため、外国人参政権が認められてしまうと、地方行政運営に多大な影響をあたえる可能性があります。例えば、与那国島などでは人口が少ないため、最低得票者数は139票です。139票で当選してしまうのであれば、外国人参政権を認めた時に、外国人が列挙して与那国島に戸籍を移したとしたら地方行政はめちゃくちゃになってしまいます。また国政で認められたとしたら、自衛隊、米軍基地、原子力発電所、領土問題などに重大な影響を及ぼす可能性が高く、国益を脅かすおそれもあります。

 鳩山総理大臣は、平成8年に雑誌への寄稿において、「定住外国人に国政参政権を与えることをも真剣に考えてもよいのではないかと思っている。行政や政治はそこに住むあらゆる人によって運営されてしかるべきである。それが出来ないのは、畢竟(ひっきょう)、日本人が自分に自信のないことの表れである。」などと述べており、外国人参政権付与へ積極的な姿勢が見られます。鳩山総理大臣は「日本」について本気で考えているのではなく、感覚で答えているのではないでしょうか。

そもそも日本における外国人参政権において対象となる人々は、(1)日本国籍を持たない外国籍の者であって、(2)日本に定住している者であるため、定住外国人であっても日本政府に帰化を申請し許可されれば、日本国籍を持つ日本人と同様の扱いを受け、参政権を得ることができるのです。それなのに、なぜ外国人参政権法案を持ち出すのか甚だ疑問ですし、日本のために外国人参政権の法案を成立させてはならないと考えています。