信号無視で大騒動に 「ゴーストップ事件」 | T-MOTOの日曜映画

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日曜日のショートムービー製作

1933年(昭和8年)に、信号無視がきっかけで軍と警察が大喧嘩をしたゴーストップ事件と呼ばれる騒動がありました。

大阪市北区で、お昼前に休日に映画を観ようと出かけた陸軍一等兵(22歳)は市電に乗ろうと交差点を渡るときに赤信号を無視します。それを見ていた交通整理中の巡査(25歳)がメガホンで注意し派出所へ連行すると、一等兵は「軍人は憲兵には従うが、警察官の命令に服する義務はない。」と抵抗して巡査と殴り合いの喧嘩になり、一等兵は全治3週間、巡査は全治1週間の怪我を負います。軍はこの事件を問題視し、大阪での軍と警察の対立は、東京の軍部と内務省の対立に発展します。裁判沙汰になり、新聞には「軍部と警察の正面衝突」などと報じられ、大阪では漫才のネタになるという大騒動になります。最後は昭和天皇の特命によって兵庫県知事が仲裁に乗り出して和解。事件は幕を閉じます。

一人の兵士がやった信号無視を、ここまでの大事件にエスカレートさせてしまうんですから、「なんなの?この人たちは?」という感じですね。

こういう体質の人たちに日本は支配されていたのですから、どんな国際情勢でも必然的に大戦争をやってしまいそうです。

なんだか、コントロール不能で拡大していった日本の戦争の心理的側面が凝縮されているような事件です。