喪失 | T-MOTOの日曜映画

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日曜日のショートムービー製作

よくよく考えてみれば、人間不信とか、見せかけの友情とか、そういう話につながるようなことではなく、彼女と私だけの関係、もっと簡単に言えば、「彼女の親の反対」という話にすぎないことに気づきました。

これまでの経緯

彼女にお願いして契約更新の保証人になってもらって、署名捺印した契約書を郵送。

大手不動産会社の契約関係を集中的に管理する部署から、機械的に返送されてきて、彼女の印鑑証明書を要求。

使っている印鑑は印鑑証明には使えず、実印が必要になり、新たに作るには期間的に間に合わず、彼女が実家のお母さんに電話して使っていない印鑑がないかどうか聞く。たぶん、この時点で秘密にしていた私との付き合いを、両親に気づかれるきっかけになったと思います。

実家には余分な印鑑がなかったので、ネットで調べて都内で実印をすぐに作ってくれる店を見つけて、その日のうちに実印を製作。

翌日、彼女はお盆の帰省で実家に帰る。地元の役所で印鑑証明書を作る予定。長年住民票を残したままで、印鑑証明書は地元でなければ作れないので。

彼女から「保証人にはなれない」というメールが届く。

帰省した後、「お返ししたいと思うのですが」という丁寧な文面で私から借りている物を返したいというメールが届く。了承すると、私が貸していたものが全部返送されてくる。

彼女の方からは別れようという話はなく、何の説明もなかったのですが、解消しようという意思が明らかなので、私の方から別れ話を持ち出す。


何の説明もなく、彼女が話してくれたのは「お母さんが怒っている」ということだけなのですが、帰省したときに問い詰められて私と付き合っていることが知られてしまって、大反対された、ということだと思います。

帰省から戻った彼女から届くメールは、やたらと丁寧で、他人行儀です。

親に反対されただけでここまで豹変するだろうか?もともと友情とかその種のものは存在してなくて、みせかけではないのか?とも思っていたのですが、彼女のことをずっと思い出してみれば、三年前にガンで友人を亡くして一ヶ月くらい泣いて過ごしていたときは力づけてくれましたし、突然の腰痛で動けなくなったときは、家まで食料を届けてくれました。確かに存在していました。

年の差を考えれば、世の中の親の99.99・・・%は反対するでしょうし、秘密にしていたのですが、レアケースもありますし、時間をかけてご両親に認めてもらえる状況作りをしていこうと考えていたのですが、すべてが失われました。もう取り返しがつきません。