読売日本交響楽団第645回定期演奏会(サントリーホール)
指揮=ローター・ツァグロゼク
コンサートマスター:日下 紗矢子
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 WAB 105
ドイツの中堅指揮者、というイメージが強かったローター・ツァグロゼクもすでに82歳。この人がシュトゥットガルト州立歌劇場のGMDだったのは1997年〜2006年、退任してからもう20年近いのだからそれも当然かもしれない。
読響客演は6年ぶり、前回もブルックナーで、7番が演奏されている。
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今回の5番、全体のテンポ設定は遅め。そこまで遅くは感じられないが、実際85分ぐらいはかかっていたと思う。テンポが遅くても表情にメリハリがあればいいのだが、職人的に淡々と進んで行く。そのためどうしてもやや単調な印象になり、緊迫感が伝わってこないのだ。金管はあまり強調して鳴らすことをせず、全体に溶け込む印象。フィナーレのエンディングではそれなりに金管を強調してはいただろうか。ただ、ここぞというところでもう少し聞こえて欲しいところも多かった。
今回のような演奏を聴くと、ツァグロゼクが劇場叩き上げの手堅い指揮者であることを痛感する。デモーニッシュとか悪魔的だとかいう形容とは無縁。
オーケストラは特に後半、管に若干のキズはあったが、全体としてはまずまず。16型。マイクが立っていたので後日どこかで録音が聴けるようになるかもしれない。
総合評価:★★☆☆☆