イザベル・ファウスト モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲演奏会2日目を、東京オペラシティコンサートホールにて。
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ長調 K211
グルック:バレエ音楽《ドン・ジュアンあるいは石の宴》
モーツァルト:ロンド ハ長調 K373
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K219《トルコ風》
(アンコール)
ニコラ・マッテイス Sr:ヴァイオリンのためのエア集より パッサッジョ・ロット(イザベル・ファウスト ソロ)
ハイドン:交響曲第44番ホ短調 Hob. I: 44《悲しみ》より 第4楽章
前日に続いて、イザベル・ファウストとアントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコによるモーツァルト。基本的な音の印象は前日と同じであり、ファウストの奏法はオーケストラと統一が測られている。
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今回、オーケストラだけで演奏されたのはモーツァルトではなくグルックのバレエ音楽であった。グルック(1714-1787)はモーツァルトと同じ時代を生きた人であるが、個人的には、グルックといえば「精霊の踊り」ぐらいしか知らない。しかし今回演奏されたバレエ音楽、まさにモーツァルトのドン・ジョヴァンニと同じ題材を使った音楽だが、比較的感情の起伏が激しく、この音楽でバレエを観たらかなり印象深いものになるだろう、というものであった。特に地獄落ちの場面などはかなりインパクト大。
ヴァイオリン協奏曲で一番有名な「トルコ風」もHIP(歴史的知見による演奏)だと非常にきびきびとして颯爽とした音楽になる。装飾音符なども独特な解釈だし、ファウストのソロにも即興的な要素が加わっている。トゥッティでソリストが一緒に演奏するのはいかにもHIP。
イル・ジャルディーノ・アルモニコ、管楽器とチェロ以外は全員立ったままで演奏。それにしても、アントニーニは風貌が考古学者のようなタイプなのに演奏は熱い。
アンコールのマッテイスはイタリアの作曲家で、1670年代にイギリスに渡って成功した人のようだ。ファウストが以前N響定期に客演したときにも演奏していた。
そして、最後にファウストもトゥッティで演奏した曲はハイドン。個人的には、これが一番よかったかも…アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコはこの2日後、トッパンホールでこの曲を演奏する予定だったのだ。
古楽器演奏、個人的な好みで言わせてもらえば、モーツァルトより断然ハイドンの方が合っていると思う。ハイドンはちょっと四角四面なところがある音楽で、古楽器で演奏するとその堅苦しさが薄れるような気がするのだ。昨年、ルツェルンで聴いた彼らのハイドン「四季」も名演だった。
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私の席からはわかりにくかったが、1階の後ろの方は空いていたようだ。前日同様、1階客席のノイズは多め…
総合評価:★★★☆☆