鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン ブラームス《ドイツ・レクイエム》を、東京オペラシティコンサートホールにて。
鈴木雅明(指揮)
安川みく(ソプラノ)
ヨッヘン・クプファー(バス)
バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)
シュッツ:主にあって逝く死者は幸せだ SWV391
ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45
バッハの大家である鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン(以下BCJ)がなんと、ブラームスの傑作ドイツ・レクイエムを演奏するというので、初台にはせ参じた。
ドイツ・レクイエムに先立ち演奏されたシュッツのモテット。この曲の歌詞はドイツ・レクイエムの感動的な最終楽章の歌詞と全く同じ!もちろん、受ける印象はまるで違う音楽だ。
シュッツもブラームスも合唱がとてもよい。きれいにそろいすぎることがなくて、個々の歌手の声が主体的・能動的に客席に届いてくる。独唱者2名も素晴らしかった。クプファーのバスは朗々としていてしっとりと深い声、安川みくのなまめかしい声もよい。
オーケストラは以前このBCJでベートーヴェンの荘厳ミサ曲を聴いたときも思ったが、バッハ以外でBCJを聴くと古楽器の技術に不安定感がどうしても残る。在京オーケストラの現役団員、元団員も結構参加しているが、古楽器系が不安定なのである。
とはいえ、後半に行くにしたがって鈴木雅明の指揮に熱さが増していき、壮大な第6楽章、個人的に大好きな第7楽章は感動的であった。第7楽章の合唱の声の伸びがよいと、実に幸せな気分になるのである。
BCJがバッハを演奏するときはステージの上に置かれたポジティブ・オルガンを使うのだが、今回はオペラシティコンサートホールのスイス・クーン社製パイプ・オルガンが使用され、重厚で荘重な響きがホールを満たした。
鈴木雅明、よく見ると左腕にギプスをしていたのだろうか?肩からアームホルダーのようなものをぶら下げていた。
総合評価:★★★★☆