読売日本交響楽団第634回定期演奏会をサントリーホールにて。

 

指揮=セバスティアン・ヴァイグレ

ヴァイオリン=ダニエル・ロザコヴィッチ

 

ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61

(ソリスト・アンコール)バッハ:ヴァイオリンのためのソナタ第1番 より 第1楽章

 

R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30

 

旧東ドイツ出身のヴァイグレが振るドイツの名曲プロ!1月はめぼしいコンサートが少ないゆえ、ついポチッとチケットを購入してしまっていた。

客席は結構埋まっているが、名曲プロだからなのか、ロザコヴィッチの人気なのか?

 

1曲目はワーグナーのリエンツィ序曲。バイロイト祝祭劇場で上演される演目に入っていないワーグナーの初期作品で、実際私もこのオペラを観たことは一度もないが、クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルの名盤のおかげなのか、序曲だけは大変に有名だし個人的にも大好きである。ヴァイグレの演奏は非常に手堅く派手なところは皆無。14型。

 

2曲目は15歳でドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだという天才ヴァイオリニスト、現在22歳のダニエル・ロザコヴィッチが弾くベートーヴェン。ロザコヴィッチはスウェーデン生まれだが、顔立ちがアジアっぽいのでウィキで調べてみると、お父様が白ロシア人、お母様がキルギス人だそうだ。

この人の名前を聞いたことがあったのは、e-onkyo(ハイレゾ音源)のサイトで見たことがあったからか? と思ったが、実は2017年のPMFオーケストラで彼が弾くブルッフを聴いていたのであった。そのときの指揮はゲルギエフ。彼はゲルギエフの秘蔵っ子だったらしい。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12297622537.html

今回のベートーヴェン、音程は非常によくて安定していたが、予想したほど音色は明るくはなく、シックで線が細め、あまりスケール感は感じられない。オーケストラは12型と小ぶりだったが、それでちょうどよかった。終楽章も終始安定して落ち着いた演奏で、あまり終盤に向けて高揚していくようなタイプのアプローチではなかったと思う。

 

後半はツァラトゥストラ。ついこのあいだ、ソヒエフ指揮ウィーン・フィルの名演を聴いたばかりということもあるけれど、音がしっかり鳴っているわりにはあまり心に響かない…先日のN響定期もそうだったのだが、正月明けのオーケストラはどうも熱さがないというか、仕事でやってます感が強いような…私がひねくれていてそう聞こえるだけかもしれないのだが。いや、ホルンなどやっぱり緩かったと思う。16型。

 

総合評価:★★☆☆☆