サントリーホール室内楽アカデミー特別公演 大阪国際室内楽コンクール2023弦楽四重奏部門第2位記念 ほのカルテット リサイタルを、サントリーホール・ブルーローズにて。

 

出演

弦楽四重奏:ほのカルテット *サントリーホール室内楽アカデミー第7期

 ヴァイオリン:岸本萌乃加

 ヴァイオリン:林周雅

 ヴィオラ:長田健志

 チェロ:蟹江慶行

曲目

ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調 Hob. Ⅲ:38 「冗談」

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 作品127

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第4番 ホ短調 作品44-2

 

(アンコール)

エベーヌ弦楽四重奏団編曲:映画『パルプ・フィクション』より「Misirlou」

三木たかし(多井千洋編曲):「津軽海峡・冬景色」

 

大阪国際室内楽コンクール2位の、ほのカルテットの記念コンサート。

ほのカルテットは読売日響次席奏者の岸本萌乃加、題名のない音楽会でプロデビューした林周雅、反田恭平率いるジャパン・ナショナル・オーケストラに属する長田健志、そして東響に属する蟹江慶行の4名から成る若きカルテットである。

ハイドン、ベートーヴェン、メンデルスゾーンとドイツの正統派の四重奏を取り上げるというがっぷり四つ、直球勝負のリサイタルであり、若き4人の熱い思いがバチバチとぶつかり合うかのような、ホットな演奏である。

最も素晴らしかったのは後半に演奏されたメンデルスゾーンで、メンデルスゾーンの音楽のほとばしる情熱とロマン性が、4人のみずみずしい感性をもって表現されていたと思う。

その一方で、ハイドンの持つ様式美や、ベートーヴェンの後期四重奏曲が持つ綿密な構造美の表現はまだ発展途上にあると言えよう。ベートーヴェンの後期作品は、相当に時間をかけて練り上げていかないと難しい音楽であると痛感した。

 

アンコールの「パルプ・フィクション」はかなり濃い響きだったし、津軽海峡冬景色はこぶしが効いていて思わず歌いたくなってしまった。

彼らはトークもなかなか。今後のますますの活躍に期待したい。

 

総合評価:★★★☆☆