読売日本交響楽団第659回名曲シリーズを、サントリーホールにて。

 

指揮=山田和樹

 

黛敏郎:曼荼羅交響曲

マーラー:交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」

 

新年1発目はこちら。いきなり重量級のプログラムである。

まずは後半のマーラー6番。ヤマカズのマーラー6番、日本フィルとのマーラー・チクルス以来だからほぼ7年ぶりである。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12143880504.html

ちなみにあのときのマーラー6番はエクストンから発売されていて、私もハイレゾ音源を持っているが、驚異的な優秀録音である。

https://www.e-onkyo.com/music/album/ovcl00596/

前回同様ヤマカズの解釈はみずみずしく、ところどころタメはあるが、そこまで深いこだわりは感じられず、淡々と進んで行く演奏だった。つい数ヶ月前に同じ場所で聴いた、ネルソンス&ボストン響の暗く変態的なスローテンポの解釈とは対照的だ。第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテという並び。

ただ、正月明けということもあるのか、カメラが入っているにもかかわらずオーケストラがどうも本調子ではなく、あれっと思うところがちょこちょこあったし、16型にもかかわらずどういうわけか音の密度が高くない。金管など、ボストン響と比べても仕方ないのだが、そうは言ってももう少し深みが欲しいところだ。

 

前半は黛敏郎の曼荼羅交響曲。弦セクションが左右均等に分割されるという配置だ。

この曲、録音でしか聴いたことがなかったのだが…こんなにつまらない曲だったっけか?どうも腑に落ちない演奏だったのだ。家に帰ってから録音(岩城宏之指揮N響)を聴き直してみたが、岩城の演奏の方が断然いい。今回のヤマカズの演奏、非常に繊細で響きの美しさを重視していたところは評価できるのだが、その反面、この曲にある尖ったところが完全に排除されていたような気がするのだ。岩城の演奏はかなり尖っている。ヤマカズは、この曲にフランス的要素を見出そうとしたのだろうか。まあそれはわからないが。

 

というわけで、新年初回の演奏会、私にはまあまあといったところだった。終演後ヤマカズに対するソロ・カーテンコールがあったようだが、そこまで喝采する演奏だったかな?

 

総合評価:★★★☆☆