セイジ・オザワ 松本フェスティバル30周年記念 特別公演 を、ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)にて(11月26日)。

 

サイトウ・キネン・オーケストラ

指揮       アンドリス・ネルソンス

 

セイジ・オザワ 松本フェスティバル30周年記念 特別公演、1日目の松本における公演に続き、長野市における公演を聴いた。

1日目公演の感想はこちら↓

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12776401556.html

 

会場となったホクト文化ホールは長野駅から徒歩10分程度の場所にある。松本は東京都心からのアクセスがよくないが、長野は東京から新幹線で1時間半程度と非常にアクセスがよいため、この2日目の公演は東京から多くのクラオタが参加したようだ。

 

さてこの2日目の公演、実に素晴らしかった!1日目はカメラが入っていたということもあるのかもしれないが前半やや安全運転だったのに対して、この2日目は第1楽章から相当な気合いが入っていたように思われる。

オーケストラ、非常設団体でこれほどまでに密度が高く、芯がしっかりした音であることは驚きだ。そして、弦の弱音が限りなく美しい。第1楽章のホルン(バボラーク)とフルート(ズーン)の掛け合いは当然ながら見事で、そして安心して聴いていられるのがよい。第3楽章のトランペット(タルケヴィ)、あれだけのしなやかさと透明感を表現できるのは驚異的である。

この日も、第3楽章の中間部や第4楽章のクライマックスではちょっとうるうると来てしまった。

アンドリス・ネルソンス、以前は指揮姿が師匠のマリス・ヤンソンスに似ているようなところもあったし、割と派手なパフォーマンスをすることも見受けられたのだが、彼の芸風はすっかり変わってしまった。比較的おとなしい指揮ぶりに変貌し、その音楽も極めて内省的で、彼が着実に指揮者として成長していることが伺える。

 

第1楽章、冒頭のチェロの音にホルンが重なっていたように聞こえたのだが(これは初日もそうだった)気のせいだろうか?あと、ホルンのフルートの掛け合いの少し後で若干アンサンブルが乱れたかもしれない。

あと、これは気のせいかもしれないが、第4楽章は1日目と若干アプローチが異なっていたように感じられた。最初の弦の音、1日目はあそこまで音量を抑えていなかったのではなかっただろうか。ホルンの感動的なフレーズでも、弦はかなり音を抑えていたと思う。

弦は16型、ヴィオラが右手前に配置されるスタイル。

 

会場となったホクト文化ホールは1983年の開館、総座席数1971席の、いかにも昔の自治体のホール。トイレは少なくて狭い。そして、クロークがない(この日は即席クロークが設けられていた)など、そうしたところはいかにも昔の自治体のホールだ。ただ、音はそんなに悪くないし、それなりには響く。

 

総合評価:★★★★★