チョ・ソンジン ピアノ・リサイタルを東京オペラシティコンサートホールにて。
ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲 第1集から 第2番 ヘ長調HWV427
ヘンデル:クラヴサン(チェンバロ)組曲 第1集から 第8番 へ短調HWV433
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24
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シューマン:3つの幻想小曲集 Op.111
シューマン:交響的練習曲 Op.13
(アンコール)
ショパン:スケルツォ全曲(2、1、3、4番)
2015年ショパンコンクール優勝者であるチョ・ソンジン。現存するショパンコンクール優勝者のなかで、1975年優勝のクリスティアン・ツィメルマンに匹敵するのは彼しかいないと私は思っている(2021年優勝者のブルース・リウについてはまだ実演を聴いていないのでコメントできないのだが)。
そのチョ・ソンジンが今回持ってきたプログラムには、ショパンが1曲もない!そう、彼はショパンコンクール優勝者であるが、ショパンはもちろんのこと、他の作曲家の何を弾いてもすごいのである。
今回はヘンデルの鍵盤曲2曲から、そのヘンデルをテーマにブラームスが作った大伽藍のように壮大な変奏曲とフーガ、そして後半にその師匠であるシューマンという、オール・ドイツものの意欲的なプログラムである。
ヘンデルは推進力に富んでいて利発な感じがする演奏だ。といってもこれはもちろん導入で、優雅なヘンデルの主題が冒頭に据えられたブラームスは、極めて重厚な音色であり、重厚さを維持しつつこれほどの躍動感がありうるのかと思われるほど、ダイナミックで素晴らしい演奏であった。
後半のシューマン、3つの幻想小曲集というシューマンのピアノ曲としてはややマイナーな作品から始まったが、このようなマイナーな作品でも説得力も素晴らしく、プログラム最後の有名な交響的練習曲は歌謡性を具備しつつ、推進力にあふれた輝かしい演奏であった。
これだけの素晴らしい演奏を聴けてもうお腹いっぱいであったのだが、これら本プログラムが終わった20時55分ごろから後に、アンコールとしては長めのスケルツォ2番を弾いたので、これ1曲でアンコール終わりかなと思いきや、なんとそのあと拍手をはさんで結局全4曲、つまりショパンのスケルツォを全部演奏したのである!このスケルツォ4曲、アンコールとは思えない凝集力で一気に聴かせたし、本プログラムも含めてテクニックもほぼ完璧、本当にすごいピアニストである。
4曲目(4番)を弾く前に英語で何かしゃべっていたのだが、私の席はやや遠くて何を話しているのか聞こえなかった。終演は21時35分過ぎ。これはもう第3部である。
チケットは完売。発売初日にチケットを取ったにもかわらず2階の端の方しか取れなかった。もうちょっと近い席で聴きたかったなあ。客席は女性が大多数。チョ・ソンジンや藤田真央のコンサートは自分の場違い感がすごい…
総合評価:★★★★☆
