PMFオーケストラ東京公演をサントリーホールにて。

 

指揮:ラハフ・シャニ

ピアノ:小曽根真

PMFオーケストラ

 

ウェーバー:「オベロン」序曲

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op. 26

(ソリスト・アンコール)

小曽根真:マイ・ウィッチズ・ブルー

 

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op. 73

 

故レナード・バーンスタインの提唱により1990年に開始されたPMF、2020年はコロナ禍により開催中止、昨年2021年は外国からのミュージシャンの来日なしで限定的に開催されたものの、出演者がコロナ感染したために途中で中止となってしまった。そのようなわけで、今回2022年は久しぶりに外国人音楽家が参加しての開催である。

毎回音楽祭の最後に行われる東京公演、いつもはかなりの人数が参加して行われるのであるが、今回は弦が11-9-7-5-3(対向配置)とかなりの小編成…これはコロナ第7波対策なのか?それともそもそもの参加者が少ないということなのだろうか。

 

冒頭はオベロン序曲。個々人の音楽家はそれなりのレベルの人たちが集まっているのだろうが、アインザッツが微妙にそろってなかったり、弦のアーティキュレーションがやや粗かったりというのがあって、やはりオーケストラというのは一朝一夕にできるものではないと痛感させられる。

 

2曲目のソロを弾いたのは小曽根真。ジャズ・ミュージシャンとして高名な彼はクラシックを演奏するのが好きらしいのだが、彼が弾くモーツァルトなどは違和感しか覚えない。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12623791435.html

つい先日弾いたラフマニノフはまあ面白かったのだけれど、一般的に言えばあそこまでジャズのアドリブを採り入れたクラシックは邪道だろう。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12683983552.html

今回はプロコフィエフ3番。比較的ゆっくりしたテンポで、余計な脚色が一切施されていないのに逆に違和感を覚えるくらい、正攻法の解釈であった。オケの編成が小さいこともあってか、ピアノの打鍵がクリアに聞き取ることができたのもよかった。

アンコールは小曽根真の定番。

 

後半はブラームス2番。11型でのブラームス、やはりちょっと重厚感に乏しく、もう少し深みとコクがある音色が欲しかったところである。第1楽章提示部のリピートはなし。

 

指揮はイスラエルのラハフ・シャニ。40年以上続いたズービン・メータ音楽監督時代の後にイスラエル・フィルの音楽監督に就任した逸材である。指揮棒なし、基本暗譜での指揮。きっと素晴らしい指揮者なのだろうか、今回の小編成、しかも即席のオケではあまりその真価がわからなかったというのが正直なところだ。

 

総合評価:★★★☆☆