ワーグナー「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」を新国立劇場オペラパレスにて(6日)。
指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:ハンス=ペーター・レーマン
領主ヘルマン:妻屋秀和
タンホイザー:トルステン・ケール
ヴォルフラム:ローマン・トレーケル
ヴァルター:鈴木 准
ビーテロルフ:萩原 潤
ハインリヒ:与儀 巧
ラインマル:大塚博章
エリーザベト:ベトリエネ・キンチャ
ヴェーヌス:アレクサンドラ・ペーターザマー
牧童:吉原圭子
合唱:新国立劇場合唱団
バレエ:新国立劇場バレエ団
管弦楽:東京交響楽団
新国立劇場タンホイザー、前回(2日)に続いて2度目の鑑賞。今回は1階通路より少し後ろ。前回は3階センター1列目だった。
1階で聴くと、歌手の声は3階よりはまっすぐに聞こえてくるけれど、タイトルロールのトルステン・ケールの声はやはりやや細めで絞り出すようなところがあるし、第1幕では音程がフラット気味なところが気になった。しかし、第3幕ローマ語りは極めて感動的!
歌手に関して、基本的には前回観たときとほとんど同じ感想だ。ヴェーヌス役ペーターザマー、1階で聴いてもやはりヴェーヌスとしてはスケールが小さい気がする。エリーザベト役キンチャ、低音になると声がこもり気味になるのが残念。高音はまあいいのであるが。ヴォルフラム役のトレーケルは訥々とした感じの歌い方だ。
前回もそうだったのだが、オーケストラは1幕よりも2、3幕が断然よい。第1幕、タンホイザーの声を浮き立たせるためなのか、どうもオーケストラの音が明瞭に聞こえないところがあって、バッカナールでは音が混濁。これが第2幕の大行進曲あたりから非常によくなって、第3幕は驚くほど雄弁で感動的な音楽になっていたからすごい。アッシャー・フィッシュ、手堅いながらなかなかいい指揮者である。
私の席からは見えなかったが、皇太子が全幕を通じてご臨席されていた。皇太子は5月1日に天皇に即位されるが、天皇になられると新国立劇場のオペラを全幕ご鑑賞されるのは不可能になるのだそうだ。
皇太子がご臨席されている状況で、第1幕でなんと照明トラブルがあり、舞台の照明が暗いということであった(全く気付かなかった)。その復旧のため第1幕後の休憩は5分延長。
それにしても、タンホイザーのパリ版はやはり華やかだ。ドレスデン版が完成したのは1847年、パリ版の完成上演は1875年だそうだ(プログラム吉田真氏による「作品ノート」による)。よってパリ版で補筆された部分の円熟度は他の部分に比べて際立っている。ちなみにパリ版の序曲とバッカナールの音楽、録音ではやはりカラヤン指揮ベルリン・フィルのEMI版の壮麗な演奏に勝るものはなかろう。
