新日本フィル 583 トパーズ<トリフォニー・シリーズ>1日目を、すみだトリフォニーホールにて。

 

指揮:マルクス・シュテンツ

 

ハイドン:交響曲第22番 変ホ長調 「哲学者」Hob.I:22

ハイドン:交響曲第94番 ト長調 「驚愕」 Hob.I:94

ヘンツェ:交響曲第7番

 

マルクス・シュテンツはドイツの中堅指揮者で、オランダ放送フィルの首席指揮者を務める。2010年にはN響定期公演に客演してマーラーの2番を指揮しているし、一昨年暮れの読響の第九の指揮者でもある。かつて音楽監督を務めたケルン・ギュルツェニッヒ管とは、マーラーの交響曲全集の録音があり、私はこれで彼の名前を知ったのであった。

 

今回のプログラム、交響曲の歴史で一番古いハイドンと、一番新しい部類に入るであろうヘンツェという面白い組み合わせだ。

 

前半のハイドン、弦が左右対称に近い形で配置されていて、コントラバスが両翼に2名ずつ、チェロもその手前に左右に分かれている。センターはヴィオラだったか、ヴァイオリンは1番と2番両翼配置だったものと思われるが、そこまでよくわからなかった。

弦は完全なノン・ヴィブラートで、硬質で重めの手触りである。

「哲学者」第1楽章のみ、ホルンが左手端、イングリッシュ・ホルンが右手端で立ったまま演奏した。しかしこの曲、単調でどうも私にはアピールしない。まさにこれが、私の苦手とするハイドンなのだ。

しかし2曲目の有名な「驚愕」は別。男性的で雄大なハイドンのいいところが詰まった音楽である。とはいえ、私が若い頃に聴いた、サー・トマス・ビーチャム指揮ロイヤル・フィルのような格調高い演奏とはちょっとイメージが違う。まだ指揮者に慣れていないのか、タメの部分では若干のぎこちなさを感じる。

あまりにも有名で、今や誰も驚かない第2楽章。ここではちょっとした小芝居があって、居眠りしているティンパニ奏者をコントラバス奏者が見つけて、ティンパニを叩いて起こす、というものだった。

 

後半のヘンツェ(1926〜2012)の7番。ヘンツェの交響曲は10番まであるが、その7番目である。

予習をしていかなかったことを後悔したのだが、決してわかりにくい作品ではない。4楽章形式で、様式感はベートーヴェンの時代から続く交響曲の様式からそれほど逸脱していない。第2楽章が緩徐楽章で、第3楽章はスケルツォなのである。

金属的で重い響きがヘンツェらしいが、ベルリン・フィル創立100周年記念の委嘱作品ということで、ベルリン・フィルのあの鋼鉄の響きを想定して書かれたのかもしれない。新日本フィルの響きはそれに比べれば柔らかいと思うが、精妙で丹念な演奏である。特に後半楽章の、複雑な状況において悶々としているかのような、葛藤と苦悩を表した音楽が印象的だった。

 

シュテンツの客演、来週サントリーホールにおける「ジェイド」ではやはりヘンツェの作品が演奏される。こちらも期待したい。

 

総合評価:★★★☆☆