ここ数年さぼっていたが、今年は音楽の友、モーストリークラシック同様に2016年のベストコンサートをあげてみたい。ただし、ベスト5となると選別が厳しいのでベスト10で。

言うまでもないが私はただの一クラオタであり、以下の順位付けは当然ながら独断と偏見に満ちている。よって、公正な判断は評論家の先生方にお任せしたい。また、私の嗜好が主としてオーケストラやオペラであり、そのため室内楽やピアノの演奏会に行った回数自体が少ないこと、好きな作曲家が独墺系に極端に偏っていることも念のためにお伝えしておきます。

 

(2016年のコンサート・ベスト10)

①   11/20 サントリーホール ワーグナー:ラインの黄金 (ティーレマン/シュターツカペレ・ドレスデン)…現代最高のワーグナーを東京で聴けるとは!オケの鳴りっぷり、歌手のレベル、他を圧倒的に引き離している。

②   4/10 東京文化会館 ワーグナー:ジークフリート(ヤノフスキ/NHK交響楽団)…N響が名匠のリードで驚きの演奏。タイトルを歌ったシャーガーが圧倒的。

③   5/15 サントリーホール ベートーヴェン:交響曲第9番(ラトル/ベルリン・フィル)…ラトルならではの説得力ある解釈と、驚くべき熱演で忘れられない第九。

④   7/16 サントリーホール ブルックナー:交響曲第8番(ノット/東京交響楽団)…前任のスダーンから引き継がれたこの音楽に対する真摯な姿勢と驚くべき完成度は、アプローチが異なるノット監督のもとでも健在!

⑤   10/30 東京文化会館 R・シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ(ヤノフスキ/ウィーン国立歌劇場)…名匠のもと奏でられる緊密なアンサンブルとウィーンならではの馥郁たる響き。歌手も最高!

⑥   2/14 サントリーホール ブルックナー:交響曲第5番(バレンボイム/シュターツカペレ・ドレスデン)…倍管による壮大なスケールで、巨匠がこの曲をいかに愛しているかがよくわかる超名演。

⑦   10/23 ウィーン国立歌劇場 ヘンデル:アルチーナ(ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊)…主不在のウィーンで聴いたヘンデル、完成度の高さとあまりの美しさに感激!ヘンデルを完全に見直した。歌手陣も秀逸。

⑧   11/4 東京オペラシティコンサートホール ブルックナー:交響曲第7番他(ブロムシュテット/バンベルク交響楽団)…ブロムシュテットのブルックナーはやはり自然で神々しい。オケの重く密度の濃い響きがとてもよい。

⑨   12/5 東京オペラシティコンサートホール シューマン:交響曲第3番他(パーヴォ・ヤルヴィ/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)…このコンビの相性の良さと、オケの驚くべき自発性に驚嘆。パーヴォはこのオケを振っているときが一番!

⑩   4/2 ウィーン楽友協会大ホール マーラー:大地の歌他(K・ペトレンコ/ウィーン・フィル)…ペトレンコの音楽の切れの良さと、楽友協会で聴くマーラーの官能的な響きにノックアウト。

 

以上、①が突出しているが、②以降の順位はあまり意味がないかもしれない。こうしてみると全部独墺系音楽であり、我ながら呆れる。なかでもブルックナーがベスト10のうちに3公演もあるが、私はブルヲタではない。ちなみに高原英理著「不機嫌な姫とブルックナー団」は全てのブルヲタと、コンサート通いをするクラヲタが読むべき小説である。とても面白い。

このほかにも印象的な演奏会はもちろんあって、ディオティマ弦楽四重奏団のシェーンベルクとブーレーズの連続演奏会、ユジャ・ワンのリサイタルや、ヒラリー・ハーンのリサイタルで聴いたバッハは忘れることができないであろう。

 

次に、2016年1年間の個人データをご参考までに記しておく。

 

・2016年に行った演奏回数:172回(ラ・フォル・ジュルネ9公演を含む)

 

・  聴いたオケベスト5

① 東京交響楽団27回

② NHK交響楽団20回

③ 東京都交響楽団13回

④ シュターツカペレ・ベルリン 9回

⑤ 読売日本交響楽団 8回

⑤ 東京フィルハーモニー交響楽団 8回

以上。我ながら非常に偏っている。ベルリン・フィルはこれに続く7回で、個人的にはベルリン・フィルを1年間でこんなに聴いたのは初めて。なおウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場管を同一オケとすると8公演となる。

 

・  聴いた指揮者ベスト5

① ジョナサン・ノット 12回

② ダニエル・バレンボイム 9回

③ パーヴォ・ヤルヴィ 8回

④ サイモン・ラトル 6回

④ ダニエル・ハーディング 6回

以上。エリアフ・インバル5回がこれに続く。やはり偏っている。バレンボイム(とシュターツカペレ・ベルリン)が9回と多いのは、2月のブルックナー全曲チクルスの多くの公演と、10月下旬にベルリンでオペラ2公演を聴いたから。聴く音楽は独墺系が多いが、聴いた回数ベスト5指揮者に英国系(ノット、ラトル、ハーディング)が多く独墺系指揮者がいない不思議。

 

・  聴いたコンサートホールベスト5

①      サントリーホール 67回

②      東京文化会館大ホール 16回

③      ミューザ川崎シンフォニーホール 11回

③      NHKホール 11回

⑤      東京オペラシティコンサートホール 10回

どうでもいいがこれはほぼ予想通り。好きでもないNHKホールがベスト5入りしたのは、N響定期があるゆえ。大好きなミューザ川崎が意外に少ないのは公演数が少ないゆえ。

 

ということでこうして統計を取ると自分の異常性に気づく。来年こそは回数を減らして行きたい。来年もよろしくお願いします。