グスターボ・ドゥダメル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演をミューザ川崎シンフォニーホールにて。
R・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調
(アンコール)
J・シュトラウス:アンネン・ポルカ
ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「憂いもなく」
ウィーンフィルウィーク・イン・ジャパン2014の指揮者はベネズエラ出身、33歳の天才指揮者、グスターボ・ドゥダメル。
ラトビア出身の35歳、アンドリス・ネルソンスと並んで、ベルリン・フィルの次期音楽監督の最有力候補とされる指揮者である。
ベルリンの次期監督、私の予想ではネルソンス。理由としては、やはりヨーロッパ人であるし、なんといってもワーグナーのオペラを振れるのはドイツのオケのシェフとしては大きいと思っているから。
しかし今日の演奏を聴いて、ベルリンの次期監督は、ドゥダメルもマジであり得るな、と思うようになった。
私がウィーン・フィルの来日公演を聴き始めたのはそんなに古いことではないのだが、彼らがいつも素晴らしい演奏をするとは限らない。ある指揮者との来日のときなどは、それはそれは緩くだらしない演奏をしたものである。しかし今日の演奏のインパクトはあまりに強烈!少なくとも私が彼らの来日公演を聴いたなかで、今日の演奏ほど圧倒されたことは非常に少ないといえる。
なにしろ、音がとてつもなくでかい!ウィーン・フィルがこれほどガンガン壮麗に鳴っているのを私は初めて聴いた。単純な比較はもちろんできないのだが、カラヤンがウィーン・フィルを振って録音したときのゴージャスで豪華絢爛な音に近いものを感じる。
もちろん、単に音がでかいだけではない。アンサンブルの緊密さも群を抜いていて、実に引き締まった音楽であるし、各パートのソリストのレベルも非常に高い。昨年の来日公演におけるベートーヴェン、ホルンがかなり粗くてがっかりだったが、今日のホルンは完璧である。
前半のツァラ、ミューザのオルガンとどのようにピッチを合わせたのかわからないけれど、冒頭から非常に緊迫感に満ち、かつ安定した音である。16型通常配置、チェロとコントラバスの音のごつごつした手触りがなんとも心地よい。ミューザの明晰な残響で聴くと、ウィーン・フィルの手触りはまたムジークフェラインのそれとは全く異なっている。
しかし学生時代から慣れ親しんだこの曲、まさにウィーン・フィルで聴くべき音楽である。このうえない陶酔感。Das Tanzlied(舞踏の歌)のワルツの独特なリズム感と、キュッヒルさんを始めとする弦セクションの軽めながら味わい深い音が最高である。トゥッティの金管も、ゴージャスなのだが決して重すぎない。
ちなみにこの曲のウィーン・フィルによる録音、オーディオブームに火を付けたと言われている1959年の有名なカラヤン盤(ジョン・カルショーのプロデュースによるDECCA盤)、1983年のマゼール(DG盤)、そして1987年のプレヴィン(TELARC盤)くらいしかないのは意外である。
後半のドヴォ8も16型通常配置。冒頭のチェロとホルンの絶妙なブレンドがまさにウィーン・フィルの音ならではだ。胸がわくわくして小躍りするような表現はドゥダメルの天性のものなのだろう。ボヘミアの森と草原を思わせるようなすがすがしい旋律がこのオケの音色でさらにみずみずしさと輝きを増している。第3楽章の優美な旋律はビロードのような弦で美しく歌われ、第4楽章の、力強い音ながらなぜかやわらかいトランペットやホルンも実に魅力的だ。
ちなみにこちらの曲もカラヤン/ウィーン・フィルによる有名な録音がある。1961年のDECCA盤、1985年のDG盤。1961年盤を久々に聴いたが、かなり今日の演奏と共通点があるような気がする。ウィーン・フィルの演奏、カラヤン以外だとマゼール(1983年DG)、小澤(1992年Philips)、チョン(1999年DG)あたりがあるが、決して多いとはいえないだろう。
予想通り、本プロは短く8時45分には終わる。アンコールはポルカ2つ。こうした曲はもう、彼ら以外の演奏では考えられないであろう。とても幸せかつ充実した2時間だった。
奥ゆかしく、全く自らをアピールすることがないドゥダメル。その彼に、オケが引いたあと聴衆が拍手を絶やさずに再度呼び出して喝采を浴びせた。
R・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調
(アンコール)
J・シュトラウス:アンネン・ポルカ
ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「憂いもなく」
ウィーンフィルウィーク・イン・ジャパン2014の指揮者はベネズエラ出身、33歳の天才指揮者、グスターボ・ドゥダメル。
ラトビア出身の35歳、アンドリス・ネルソンスと並んで、ベルリン・フィルの次期音楽監督の最有力候補とされる指揮者である。
ベルリンの次期監督、私の予想ではネルソンス。理由としては、やはりヨーロッパ人であるし、なんといってもワーグナーのオペラを振れるのはドイツのオケのシェフとしては大きいと思っているから。
しかし今日の演奏を聴いて、ベルリンの次期監督は、ドゥダメルもマジであり得るな、と思うようになった。
私がウィーン・フィルの来日公演を聴き始めたのはそんなに古いことではないのだが、彼らがいつも素晴らしい演奏をするとは限らない。ある指揮者との来日のときなどは、それはそれは緩くだらしない演奏をしたものである。しかし今日の演奏のインパクトはあまりに強烈!少なくとも私が彼らの来日公演を聴いたなかで、今日の演奏ほど圧倒されたことは非常に少ないといえる。
なにしろ、音がとてつもなくでかい!ウィーン・フィルがこれほどガンガン壮麗に鳴っているのを私は初めて聴いた。単純な比較はもちろんできないのだが、カラヤンがウィーン・フィルを振って録音したときのゴージャスで豪華絢爛な音に近いものを感じる。
もちろん、単に音がでかいだけではない。アンサンブルの緊密さも群を抜いていて、実に引き締まった音楽であるし、各パートのソリストのレベルも非常に高い。昨年の来日公演におけるベートーヴェン、ホルンがかなり粗くてがっかりだったが、今日のホルンは完璧である。
前半のツァラ、ミューザのオルガンとどのようにピッチを合わせたのかわからないけれど、冒頭から非常に緊迫感に満ち、かつ安定した音である。16型通常配置、チェロとコントラバスの音のごつごつした手触りがなんとも心地よい。ミューザの明晰な残響で聴くと、ウィーン・フィルの手触りはまたムジークフェラインのそれとは全く異なっている。
しかし学生時代から慣れ親しんだこの曲、まさにウィーン・フィルで聴くべき音楽である。このうえない陶酔感。Das Tanzlied(舞踏の歌)のワルツの独特なリズム感と、キュッヒルさんを始めとする弦セクションの軽めながら味わい深い音が最高である。トゥッティの金管も、ゴージャスなのだが決して重すぎない。
ちなみにこの曲のウィーン・フィルによる録音、オーディオブームに火を付けたと言われている1959年の有名なカラヤン盤(ジョン・カルショーのプロデュースによるDECCA盤)、1983年のマゼール(DG盤)、そして1987年のプレヴィン(TELARC盤)くらいしかないのは意外である。
後半のドヴォ8も16型通常配置。冒頭のチェロとホルンの絶妙なブレンドがまさにウィーン・フィルの音ならではだ。胸がわくわくして小躍りするような表現はドゥダメルの天性のものなのだろう。ボヘミアの森と草原を思わせるようなすがすがしい旋律がこのオケの音色でさらにみずみずしさと輝きを増している。第3楽章の優美な旋律はビロードのような弦で美しく歌われ、第4楽章の、力強い音ながらなぜかやわらかいトランペットやホルンも実に魅力的だ。
ちなみにこちらの曲もカラヤン/ウィーン・フィルによる有名な録音がある。1961年のDECCA盤、1985年のDG盤。1961年盤を久々に聴いたが、かなり今日の演奏と共通点があるような気がする。ウィーン・フィルの演奏、カラヤン以外だとマゼール(1983年DG)、小澤(1992年Philips)、チョン(1999年DG)あたりがあるが、決して多いとはいえないだろう。
予想通り、本プロは短く8時45分には終わる。アンコールはポルカ2つ。こうした曲はもう、彼ら以外の演奏では考えられないであろう。とても幸せかつ充実した2時間だった。
奥ゆかしく、全く自らをアピールすることがないドゥダメル。その彼に、オケが引いたあと聴衆が拍手を絶やさずに再度呼び出して喝采を浴びせた。