ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、5月3日の総括。
今年のテーマは「10人の作曲家と祝う10回記念」ということなのだが、要はテーマがないのと同じではなかろうか…
それでも、クラシック音楽入門者から通まで、全ての人が楽しめる企画とプログラムは今回も同様。それに、知名度の高い演奏家から知名度が高くはないが実力ある演奏家が集うという基本的路線は変わりない。やはり、私はGW、東京から離れられないのである。

今年も素晴らしいラインナップであるが、欲張ると消化不良を起こすのも例年通り。そのようなわけで、私は本日初日こそ6公演と欲張ったが、明日以降は徐々に減らしていくことにしている。

さて、本日の総括を簡単に。

(No.122 ホールB7)
リスト:十字架への道
ジャン=クロード・ペヌティエ (ピアノ)
ヴォックス・クラマンティス
ヤーン=エイク・トゥルヴェ (指揮)

ユニゾンを多用した、晩年のリストの単色で渋く地味な曲。2010年のLFJでは、ローザンヌ声楽アンサンブル(ファゼル指揮)、今は亡きエンゲラーのピアノソロで聴いたが、エンゲラーのソロ以外ほぼ記憶にない。
http://ameblo.jp/takemitsu189/entry-10526030427.html 
この曲、クライマックスはないと言ってよい。キリストの最後を題材にした音楽で、第6留ではバッハを引用。こういう曲が聴けるのもLFJの良さだ。デッドなスペースでも美しい合唱はさすが。

(No.143 ホールC)
フォーレ:レクイエム op.48
シルヴィ・ヴェルメイユ (ソプラノ)
ファブリス・エヨーズ (バリトン)
マルチェロ・ジャンニーニ (オルガン)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミシェル・コルボ (指揮)

コルボ&ローザンヌのフォーレクを聴くのはこれで7回目。最初は2005年東京オペラシティ。これはCDにもなっているがそれほど感動しなかった。しかし2007年にこのLFJで4回全て聴いて、4回とも死ぬほど感動して泣いた。どうでもいいかもしれないがこのときのソプラノ、アナ・キンタンスがすごい美人で歌も最高だった。このときのメンバーでの録音もCDになっていて、これが私の理想である。もう7年前とは信じられない…昨年のLFJ来日でもコルボのフォーレクを聴いて死ぬほど感動。
http://ameblo.jp/takemitsu189/entry-11524121300.html
今年も昨年同様ヴェルメイユのソプラノ、違うのはバリトンのみ。
何度聴いてもしっとりとした美しさに痺れる!弱音の美しさは半端ではない。コルボの表現はしっとり感だけでなく、力強さも備わっているのが立派。昨年もすごかったが、今年は更にバージョンアップしたか。
ホルン巧し!こういう音色のホルンを日本のオケでも聴いてみたい。ヴァルソヴィア、なんとなく緩いイメージがあるがそんなことはなくて、これまでLFJで聴いた限りとてもいい音を出す。
アンコール、曲目わからないのだがアカペラの最後のハーモニーは感涙もの。
ただ、5メートルくらいそばにいたじいさんが始終紙をがさがさしていたのがとにかく残念。あいつのおかげで感動はマイナスになった。LFJ、未就学児童も入場可能な演奏会が多いが比較的マナーはよくて、結局のところノイズを発するのはやっぱりN響定期と同じ高齢者である。

(No.114 ホールA)
ラフマニノフ:ヴォカリーズ op.34-14
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
(アンコール)リスト:愛の夢第3番
ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス (指揮)

今更の超名曲、すごくいい!でかいホールA、5000人を前にしても落ち着き払った余裕と安定を見せるベレゾフスキー、甘さ控えめですいすい弾きこなすのはさすが。
私の席、1階の通路より後ろで相当舞台から遠かったが、それでもそんなに悪くはなかった。聴衆のマナーがとてもいい。
オケは伴奏手慣れた感あり。リスのさばさばした指揮ぶり、好きである。
アンコールは楽譜持参、ぶっつけ気味の愛の夢3番。最初から最後まで愛に満ちた音楽であった。

(No.125 ホールB7)
ラヴェル:序奏とアレグロ
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
プラジャーク弦楽四重奏団
吉野直子(Hp)、ラファエル・セヴェール(Cl)、ジュリエット・ユレル(Fl)

前半の演奏が秀逸、吉野直子の上品で知的なハープ、きらびやかな若手木管二人が光る。後半、プラジャークSQは東欧らしい柔らかく温かい手触りの演奏ながら、やや緩い感があり、音程も甘くミスも散見。

(No.175 よみうりホール)
ラヴェル:夜のガスパール
ラフマニノフ:13の前奏曲 op.32より 第2、3、4、5、9、13番
(アンコール)ラフマニノフ:前奏曲
ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)

デッドなよみうりホール、やや小さめなスタインウェイピアノの至近距離で聴くベレゾフスキーの音はクリアで弦が切れないか心配になるくらい強靭、度肝を抜かれるとはまさにこのこと!排気量5000ccのスーパーカーで明治通りを走っている感あり。力で押しているという方もきっといるだろうが、私はかなり好きである。ラフマニノフではしっとりした叙情性も素晴らしい。

今日最後のアルゲリッチは別項目にて。