東京交響楽団オペラシティシリーズ、ネマーニャ・ラドゥロヴィチの弾き振りを聴く。
バッハ:シャコンヌ(ソロ)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調、ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(アンコール)J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第2番~サラバンド
パガニーニ:カプリース作品1-13~「悪魔の笑い」

セルビアのイケメンヴァイオリニスト、ラドゥロヴィチが弾き振りするとは思わなかった。
黒髪で長髪、全身黒の衣装で皮のパンツとブーツという出で立ちはクラシック系では異色!しかしながら、彼が作る音楽は非常に全うで正統的である。しかし、とにかく本当に美音!バッハの長大なシャコンヌも、彼の手にかかると甘美な響きが徹底していて、崇高さよりも優美さが優先する。バッハのこの上なく美しいコンチェルトも、あまりにきれいでうっとりし、いい意味で眠気が襲う。

後半、ニ短調のコンチェルトは弦楽伴奏のみ。ラドゥロヴィチの指揮は、前半もそうだったがまるで踊っているようだし、ステージマナーもかなりかっこいい。ニ短調のコンチェルト、ラドゥロヴィチの流線型の演奏だととてもクールで、いい曲である。続く超有名なホ短調、徹頭徹尾彼がやりたいようにやっている音楽で、歌ったりささやいたり。こういう独特な演奏、とても好きである!しかし弾き振りでこのようにちゃんと合わせることができるんだと感心。オケもいつもより前のめりの演奏だったような気がする。

アンコールはバッハとパガニーニ。この人の風貌、パガニーニを弾いたらめちゃくちゃさまになる。