広上淳一指揮NHK交響楽団C定期を、NHKホールにて。
武満 徹 / フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム(1990)*
バーバー / 弦楽のためのアダージョ
バーンスタイン / 交響曲 第1番「エレミア」**
パーカッション|I.竹島 悟史、II.植松 透、III.石川達也、IV.西久保友広、V.村居 勲*
メゾ・ソプラノ|ラヘル・フレンケル**
オール現代もの、ということで、有名なアダージョが間に挟まれているとはいえ、客の入りは非常に悪い。2階、3階の両サイドはかなりの空席が目立つ。
私の席は3階のLサイド最前列だったが、すぐそばにちょっとした鈴のようなものが置かれていて、なんと舞台上と5色のテープのようなもので結ばれている。Rサイドも同じ。
最初の武満、5人の打楽器奏者が指揮台の左側と、舞台前面、後方のそれぞれ左右に配置され、ものすごい数の打楽器を操る。舞台前面の2人の奏者は、それら多くの打楽器のほか、前述の5色のテープのようなものを操って、3階席にある鈴を鳴らすのである。打楽器群、特に民族楽器が多くて、中でも指揮台左手の奏者が操るスティールドラムの音色は幻想的。
この曲は武満がカーネギーホール創設100周年を記念して1990年に作曲したもので、武満には珍しい、アメリカ人が喜びそうなノリの良さもちょっとあったりして面白い。晩年の武満には、ノヴェンバー・ステップスの頃のような厳しさが後退してかなり甘口の響きになっていたが、この曲もそうで耳に心地よい音楽である。
後半のバーバーは言わずと知れた名曲だが、16型の割には響きが薄く、音楽が軽く聞こえたのはホールのせいか、場所のせいか。正直、あまり圧倒されなかった。
最後のバーンスタインのエレミア、実演で聴くのは初めて。改めて、なかなかの名曲であることがよくわかった。「エレミア哀歌」を題材にしているが、そうしたことを考えなくても純粋に音楽として魅力的。リズミカルな第2楽章はことに見事。メゾを歌ったフレンケルは昨年のザルツブルク音楽祭「影のない女」で「鷹の声」で出演していたということだが、そのようなちょい役では当然ながら全く記憶にはない…今年の夏のザルツブルク音楽祭「カルメン」ではメルセデス役で出るとのこと。ちなみにこの「カルメン」は全くチケットが取れない。
広上の指揮は非常にそつがなく巧くまとめており好感が持てる。まあ、ステージに出てくるときの番長風の歩き方はやめた方がいいが…
武満 徹 / フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム(1990)*
バーバー / 弦楽のためのアダージョ
バーンスタイン / 交響曲 第1番「エレミア」**
パーカッション|I.竹島 悟史、II.植松 透、III.石川達也、IV.西久保友広、V.村居 勲*
メゾ・ソプラノ|ラヘル・フレンケル**
オール現代もの、ということで、有名なアダージョが間に挟まれているとはいえ、客の入りは非常に悪い。2階、3階の両サイドはかなりの空席が目立つ。
私の席は3階のLサイド最前列だったが、すぐそばにちょっとした鈴のようなものが置かれていて、なんと舞台上と5色のテープのようなもので結ばれている。Rサイドも同じ。
最初の武満、5人の打楽器奏者が指揮台の左側と、舞台前面、後方のそれぞれ左右に配置され、ものすごい数の打楽器を操る。舞台前面の2人の奏者は、それら多くの打楽器のほか、前述の5色のテープのようなものを操って、3階席にある鈴を鳴らすのである。打楽器群、特に民族楽器が多くて、中でも指揮台左手の奏者が操るスティールドラムの音色は幻想的。
この曲は武満がカーネギーホール創設100周年を記念して1990年に作曲したもので、武満には珍しい、アメリカ人が喜びそうなノリの良さもちょっとあったりして面白い。晩年の武満には、ノヴェンバー・ステップスの頃のような厳しさが後退してかなり甘口の響きになっていたが、この曲もそうで耳に心地よい音楽である。
後半のバーバーは言わずと知れた名曲だが、16型の割には響きが薄く、音楽が軽く聞こえたのはホールのせいか、場所のせいか。正直、あまり圧倒されなかった。
最後のバーンスタインのエレミア、実演で聴くのは初めて。改めて、なかなかの名曲であることがよくわかった。「エレミア哀歌」を題材にしているが、そうしたことを考えなくても純粋に音楽として魅力的。リズミカルな第2楽章はことに見事。メゾを歌ったフレンケルは昨年のザルツブルク音楽祭「影のない女」で「鷹の声」で出演していたということだが、そのようなちょい役では当然ながら全く記憶にはない…今年の夏のザルツブルク音楽祭「カルメン」ではメルセデス役で出るとのこと。ちなみにこの「カルメン」は全くチケットが取れない。
広上の指揮は非常にそつがなく巧くまとめており好感が持てる。まあ、ステージに出てくるときの番長風の歩き方はやめた方がいいが…