巨匠エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団の定期演奏会Bシリーズ(サントリーホール)。曲目は

シューベルト:交響曲第5番

R・シュトラウス:英雄の生涯(Vnソロ:矢部達哉)


私がよく使う銀座線溜池山王駅・エスカレーターの両脇に、先日から都響のでかいポスターが貼られていた(気がつくと、今日はもうなかったかも)。そのポスターのうちひとつはインバル先生のでかい写真であった。都響、かなり気合いを入れて集客をしているみたいだが、どこも今は集客がきつくて大変だろうと思う。

そのインバル先生、3月~4月の公演はキャンセルとなったが、今回はしっかり来日してくれてうれしい限り。

しかし、同一プロで今日と明後日の2公演、完売とはなっていないようで、明後日の公演は半額で放出されていたし、今日の会場でもなんかプレミアムを付けて売られていたみたいだ。こういう状況でせっかく来日してもらっても客席が埋まらないのは残念至極。


さて、今日の前半はシューベルトの5番。インバルのドイツもの、ベートーヴェンやブラームスは意外に巨匠風・正統派の重厚な演奏を聴かせるのであるが、このシューベルトもあくまでも正攻法で、特段変わったことをしているわけではない。冒頭の第一ヴァイオリンの8分音符のパッセージはどういうわけかばらばらでよく聞こえなかった。前半かなり睡魔との闘いであったため、これ以上のコメントは不可。弦は14型か。


後半は英雄の生涯。先週、尾高/N響、コンマス:ライナー・キュッヒルで聴いたばかりだ。N響はNHKホールだったから単純な比較はできないが、音楽の流れに関しては今日のインバル/都響のほうが断然自然でいいと思う。N響は、技術水準は高かったけれど尾高さんの指揮にやや固さを感じたのだ。

弦楽器は16-14-12-12-8か?チェロが明らかに多い。そんなわけで冒頭のEsの音に始まるチェロの重要なパッセージ(ここで全曲の印象が決まってしまうほど重要!)は極めて雄弁!

矢部さんのVnソロはとても美しいし、安定している。そりゃ先週のキュッヒルは本場の演奏であろうが、矢部さんのソロもやや線が細い印象はあるものの負けていない!

インバルの音楽は、マーラーなどでも顕著だが、ここぞ!というところでためを効かせて抜群の演奏効果を誇る。

ただ…これはないものねだりだが、R・シュトラウスの音楽に必要な色気というか、薫りというものはやや不足気味。水のようにさらさらと薄い音色である。


会場では、今日のコンビによるブラームスの交響曲第1番(2010.11.20サントリーホールライヴ)のCDが「緊急発売」として1割引で売られていたので早速購入。5月25日一般発売のところ、本日11日に会場限定で先行発売!なんのこっちゃ。

この演奏、私も現場にいたが驚異的な名演だったのだ。EXTONの新盤だが…残念なことに、SACDではない。なぜだろう。

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