新国立劇場からバスでNHKホールへ移動、N響A定期を聴く。なんと、今回のA定期は完売!!


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(Vn:ジュリアン・ラクリン)

ベルリオーズ:幻想交響曲


この名曲プログラム、この人気ソリスト、そしてカリスマ指揮者チョンが出演となれば、完売も当然かもしれないが、ここ何年もNHKホールの定期で完売というのは本当に珍しい。


前半のヴァイオリン協奏曲、ラクリンとチョンのコンビで聴くのは2回目。2006年のロンドン響来日公演で一度聴いているのだが、そのときの演奏は私の今までに聴いたベートーヴェンのVn協の中では一番の演奏である。

今回の演奏も、それに匹敵する演奏内容だった。オケの響きは静謐な格調高く、ベートーヴェンが人生で一番幸せだった時期の作品であることがよくわかる。ラクリンのソロは相変わらずの美音で、幸せな気分になる。3楽章は男性的であるが、決して粗野にならず格調高さは失われていない。


後半の幻想、コントラバスが10台あったことから18型か?チョンの好きな巨大編成だが、N響のような優秀なオケでやるときっちりと音がそろっていて気持ちがいい。この指揮者特有の切れ味鋭い指揮ぶりに、オケがきちんと応えていて、指揮ぶりから受ける印象と同じ音がちゃんと出ているのはすごい。3楽章、池田昭子さんのコールアングレソロはほれぼれしてしまう。この人、本当抜群に巧いですね。4楽章の金管の主題をテヌート気味に吹かせてかえって効果を上げるあたりは、いかにもチョンらしい音楽である。


これは来週のマーラー3番も期待が持てる。