今年もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの時期になった。昨年のことがついこないだのようで、1年経ったとは信じがたい。
東京国際フォーラムも、この時期しか来ないものだから、この会場が音楽祭のための施設であるように錯覚してしまう。
今年は5年目、テーマは「バッハとヨーロッパ」。初年度ベートーヴェン、2年目モーツァルト、3年目民族楽派、4年目シューベルトと続いてきたが、もう5年というのも驚きだ。
もっとも、今年は昨年の4日間に比べて1日少なくて、3~5日の3日間のみ。周辺の無料コンサートは29日からやっている。
さて、今日私が聴いたのは5公演。
① 管弦楽組曲1&3番 ベルリン古楽アカデミー(ホールC)
② ラインケン、ブクスフレーデの作品 ラ・レヴーズ(ホールB5)
③ ミサ曲ト短調BWV235より、マニフィカト ピエルロ/リチェルカー・コンソート (ホールC)
④ ロ短調ミサ コルボ/ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル(ホールC)
⑤ ゴールドベルク変奏曲 シュ・シャオメイ(Pf) (ホールD7)
今日聴いた公演での出色は、やはりなんと言ってもコルボのロ短調ミサ!コルボの敬虔な祈りに満ちた演奏は、特段信仰心もない私でも深い感動を覚える。今までの来日のフォーレ、モーツァルト、シューベルトも素晴らしいものであったが、今日のバッハは格別。コルボの薫陶を受けた合唱団がまた素晴らしく上手いのである。その声質は透明であり、かつ明るい。
独唱ではアルトのボナール、テノールのヨハンセンが秀逸。
ラ・フォル・ジュルネでは初となる器楽アンサンブル、ソロが大活躍するこの曲で優秀さが際立つ。トランペットがこれまた素晴らしい!
コルボ、もう75歳になるはずだが、元気そうで何よりだ。
他の公演も概して素晴らしかった。シュ・シャオメイに関して言うと、昨年のシューベルトのソナタD960 がヘタウマな感じでよかったのであるが、今年のバッハは…完全に壊れていた。これ以上言うまい。残念。