サントリーホールにて、イラン・ヴォルコフ指揮都響で、ドビュッシーの「遊戯」、メシアンのトゥーランガリーラ交響曲というフランスもの。後半のピアノは児玉桃、オンド・マルトノは原田節。それにしても、トゥーランガリーラは20世紀最大の名曲だ!
指揮者のイラン・ヴォルコフはイスラエル出身の32歳。長髪にヒゲだが、痩身で若々しい。日本ではまだ無名だが、ヨーロッパではそこそこ活躍しているようで、プロムスなんかでも名前を見たことがあるし(BBCスコティッシュ響首席)、先日彼の指揮するバーミンガム市響でショスタコーヴィチの10番の音源を聴いた。これは、DGコンサートといってネット上のみで配信される音源。
http://www2.deutschegrammophon.com/webseries/?ID=dg-concerts
ショスタコーヴィチの深遠な苦悩はまだ聞くことはできないものの、フレッシュな感覚に満ち溢れた演奏だった。まあ、何が言いたいかというと、DGのような名門レーベルから音源を出している実力者なのである。
オケは前半も含め、少々音が硬かったのが残念。、もうひとつ洗練さがほしいところ。しかし、これだけの大曲を難なくこなしていたのは見事である。こういう演奏を聴くと、いまさらながら、やっぱりプロってすごいと素直に思う。
ヴォルコフの指揮は、冒頭からかなりのアップテンポであったが、かといって単調になることなくディナーミクの幅も豊かであった。とにかく、全曲退屈させることなくわかりやすい音楽づくりだった。
児玉桃のピアノは、かつて私が最高に感激したエマールなんかに比べるとやや存在感は薄いが、それでもこの難曲を見事にこなしていた。
オンド・マルトノはもう原田節しかいないというくらいの第一人者。私が聴いたこの曲の実演はすべて原田の演奏。しかし、パリ音楽院に「オンド・マルトノ学科」があるとは驚きだ。日本でこの楽器を聴ける機会は、トゥーランガリーラのときくらいしかないが、オンド・マルトノのための作品はあるらしく、原田自身も書いているし、他のオンド・マルトノ奏者で作曲家でもあるトリスタン・ミュライユも作曲しているらしい。しかし、今日の楽器は原田の「マイ・オンド・マルトノ」なんだろうか?持ち運ぶのも相当大変なんだろうと思う。