今日はNHK交響楽団のC定期に行きました。指揮は尾高忠明、前半はアルゼンチンのピアニスト、ブルーノ・レオナルド・ゲルバーの独奏でベートーヴェンの3番、後半は50分を超えるエルガーの交響曲第1番。
ゲルバーのベートーヴェンは今まで生演奏で期待を裏切られたことがないのですが、今回も同様、実に骨太で豪快なベートーヴェンでした。彼のベートーヴェンは本当にずっしりと腹にこたえ、それでいて後味がとてもよい、すばらしいピアニストです。
後半のエルガー、昨年の暮れに読売日響で同じ尾高さんのエルガーの2番(個人的には、1番よりも2番が好きです)を聴いてその繊細な弱音の美しさに圧倒されたのですが、今回のN響との1番も驚異的に見事な演奏でした。何より、N響の巧いこと!弦、木管、打楽器はいつもどおりに素晴らしかったですが、今回は金管がまた素晴らしく柔軟な音でした。本当に、こういう演奏を聴くと、N響が世界でも相当なハイレベルのオケだと痛感します。いつもこのくらいでお願いしたい!
この曲は結構難しいということを聞くのですが、それは技術的なことはもちろん、全体の構成感についてもあるでしょう。これを下手な指揮者がやったら、何やってるかわからん曲になるのではないでしょうか。その点、尾高さんは実にわかりやすくまとめていたと思います。当然ながら、聴衆の反応もすごいものでした。