前回の記事では、妻の乳がん発覚をきっかけに「4,000万円未満の建売住宅」へと舵を切った経緯をお話ししました。今回は、住宅購入に踏み切った時に行った資金シミュレーションを公開します。

 

 

1. 予算設定の絶対条件は「土地建物で4,000万円未満」

 

注文住宅を検討していた頃のプランは、土地と建物を合わせて5,000万円を超えるものばかりでした。当時は共働き前提で「なんとかなる」と考えていましたが、今回のように「どちらかが働けなくなるリスク」に直面した今、結果的にはペアローンで住宅ローンを組まなくてよかったと感じています。

もちろん、もし早めにペアローンで契約を終えていれば、団信の特約によって妻のローン分が免除されていたかもしれません。当時の私たちには予見できなかったことですので、あくまで結果論でしかありませんが、やはり悔やまれる気持ちもあります……。

話を戻すと、夫が単独ローンを組むにあたって最も重視したのは、「夫一人の手取り額だけで、最低限の生活費が支払いきれるか」ということでした。

その生活費をシミュレーションしたのが下の表になります。

 

 

費用項目 フラット35
(2025/12)
3大疾病付団信
住宅関連費用 住宅ローン返済※ ¥137,000
固定資産税/都市計画税 ¥15,000
火災保険 ¥4,000
修繕積立金 ¥15,000
家電等買替積立金 ¥15,000
小合計 ¥192,000
インフラ関連費用 電気代 ¥13,000
ガス代 ¥10,000
水道代 ¥4,000
通信費 ¥7,000
小合計 ¥34,000
食費等関連費用 食費 ¥40,000
外食費 ¥10,000
消耗品費 ¥5,000
小合計 ¥55,000
月額生活費予算 合計 ¥280,000

※借入額4000万円で試算しています。

 

インフラ関連費用と生活関連費用は、これまでの家計簿から算出した平均値を記載しています。また、住宅維持費についても実際にかかるであろう費用を月割で計上しました。月々の予算合計を手取り月給内に収めるためには、借入額は最大4,000万円、月々の返済は13万円台が限界であるという結論に至りました。

ただ、ここで一つ見落とせないのが最近の金利上昇です。2026年2月のフラット35(3大疾病付機構団信)の場合、金利は2.61%となり、月々の返済額は146,000円にまで上がります。ここまでの上昇は加味できていなかったので、当初のシミュレーション通り「返済額を13万円台」に収めるためには、借入額を3,800万円まで下げなければならない計算になります😭

 

 

2. 徹底比較:固定金利 vs 変動金利

 

最後まで悩んだのがローンの選択です。全期間固定の「安心」か、変動金利の「低コスト」か。現在の金利水準で試算した比較がこちらです。

 

費用項目 フラット35(固定金利) 契約銀行(変動金利)
返済金額※ ¥137,000 ¥107,000
返済差額
(貯金)
- ¥30,000

 

2025年の秋ごろまでは、今よりも金利が1%台と低かったこともあり、返済額が一定で支払い見通しが立てやすい固定金利を検討していました。かし、契約直前になって金利が上昇し、当初感じていたメリットが薄れてしまったため、最終的には変動金利を選択することにしました。加えて、単に「安いから」という理由だけでなく、金利変動のリスクヘッジをしながら、支払利息を抑え、妻の復帰時期を考慮した選択としました。

 

  • 金利上昇への対策
    固定金利との差額(月3.4万円)を貯金に回すことで、将来の金利上昇に備える。
  • 利息負担の軽減
    特に残債の多い初期期間は利息負担が重くなるため、その時期こそ低金利の恩恵を受ける。
  • 家計の安定
    妻の抗がん剤治療があと一年続くため、仕事へのフル復帰が難しい期間は、初期の返済額を最小限に抑えて生活の余裕を確保する。

 

補足として、2026年4月には変動金利の見直しがあり、0.25%の上昇が概ね決まっています。この上昇を反映させた上で、2026年2月時点の固定金利(フラット35)と比較した表がこちらです。

 

費用項目 フラット35(固定金利) 契約銀行(変動金利)
返済金額※ ¥146,000 ¥112,000
返済差額
(貯金)
- ¥34,000

 

 

3. 夫の支出について

今回のシミュレーションを月々の手取り額に当てはめると、収支はほぼトントン、あるいは少し足が出る計算になります。これまで手取り内で賄えていた個人の支出や資産形成については、今後、夫のボーナスを主軸に充当していくことになります。

 

夫の支出
通信費 ¥5,000
交通費 ¥5,000
ジム費 ¥13,000
医療保険 ¥5,000
奨学金 ¥21,000
年金追納費 ¥16,000
iDeCo ¥23,000
積立NISA ¥56,000
その他雑費等 ¥20,000
合計 ¥164,000

 

以前ライフプラン診断を受けた際、「投資に比重を置きすぎている」とのアドバイスもあったため、現在の投資額(iDeCo・積立NISA)に関しては、妻の収入状況やボーナスの額を見ながら、状況に応じて臨機応変に調整していく予定です。また、現在支払っている奨学金や年金の追納分については、完済した段階でそのまま貯金へとシフトし、急な出費や将来への備えとして計画しています。

 

 

4. 今後の計画

ここまでは、万が一「妻が働けない状況」が続いた場合を想定してお話ししてきました。現在は傷病手当金をいただきながらの生活ですが、住宅購入にあたり、2026年からは夫婦共通の口座を設けています。現在はそれぞれ月10万円ずつを出し合い、生活費を折半する形でやりくりしています。ここで貯まった余剰金は、引越し時に必要となる雑費や、記念日の旅行・外食に充てていく予定です。引越し後もこの仕組みを継続し、それぞれの拠出額を5万円ずつアップした「月15万円ずつ」に変更する計画です。この生活費の中で工夫して浮かせた余剰資金で、夫婦の旅行や記念日の費用、帰省等に伴う費用などを賄うことで、楽しみを見出しながらやりくりしていけたらと考えています。

なお、月々15万円を出し合った後の残りの手取り額については、それぞれが自由に使えるお金としています。これまで通り個人の資産形成、趣味などの支出に充てたりすることで、お互いの自立した家計管理も大切にしていきたいと思っています。

 

今回の資金シミュレーションを通して、不安が完全に拭い去れたわけではありません。しかし、こうして現実的な数字をシミュレーションしたことが、家を購入する大きな後押しになったと感じています。

 

 

 

 

次回は、この予算内で見つけた建売住宅の質を確かめるために行った、「ホームインスペクション(住宅診断)」の実体験についてお話ししたいと思います。