皆さんこんにちは。武長のタケマサです。

 

2月の節分を過ぎて、暦の上では春に突入しています!寒波の襲来が報道されることがまだまだ多く、ピンとは来ませんが梅の便りも聞かれるようになり春が近づいていることも感じさせられます。そろそろお鼻がムズムズという、あまりうれしくない春のサインを受け取っている皆さんも増えているのではないでしょうか。早め早めの対策で楽しい春を迎えましょう!

 

不動産を引き継ぐということをテーマに少しお話をする機会をいただければと思います。それは、年代柄でしょうか私の周囲にもそういう経験をされる方が増えてきたからということもあります。また、実際にあたお話などを何らかのご参考にしていただければとも思います。

 

ケース1ということで、先日ご売却のご相談を伺いましたことを例にとってお話します。その方は、ご両親がお住まいになっていたご実家をご売却されたいというご相談でした。ご相談を伺いながら登記名義人の方のお名前を見ると、すでに息子さんに名義が移っていました。また、ご同居ではなかったため登記名義人(所有者)の住所は当該物件以外の息子さんのご住所として登記されています。いわゆる生前贈与の形をとられていたんですね。それは、個々のご家庭のご事情ですからどのような形で引き継がれていっても間違いではありません。ただ、ご売却になるというとところどころ微妙な点が出てまいりますため、皆さんが不動産を引き継ぐというお話があった際にご確認いただきたい点をいくつか挙げてみます。

 

生前贈与で所有者が変わっているということは、新たに不動産の所有が始まっているということです。その場合、贈与を受けて5年以内のご売却の場合には短期譲渡という部類になる可能性があります。不動産をご売却の場合の所得に関する税率が変わります。所有期間が5年を超える場合には譲渡益の20%、5年未満の場合だと39%がその税率となります。相続で引き継いだ場合には、所有期間も引き継ぐという考え方で長期譲渡所得として20%の税率となりますが、贈与の場合には引き継ぐというより「もらった」という立場になりますので、所有期間は引き継がれないものとすれば39%、約2倍の税率、税金ということになります。

 

また、相続によって引き継いだ場合には所得比も引き継げます。例えば、ご両親の代で2,000万円でご購入になった不動産であれば、その売買契約書や領収証があればそれが所得費として認められます。例えば、3,000万円で売却できた場合には購入費の2,000万円と諸経費、例えば100万円(購入時、売却時の収入印紙や媒介報酬、測量費用や登記費用など)を差し引くと譲渡所得(不動産を売却した利益)は3,000万円-2,000万円-100万円=900万円となります。これに長期譲渡所得の税率である20%を掛け合わせた180万円が譲渡所得にかかる税金となります。

 

これが贈与の場合には、不動産は購入していませんので所得費は売買価格の5%しか認められません。3,000万円でご売却とすると取得費は5%の150万円となります。諸経費を前例と同じく100万円として、贈与を受けてから5年以内のご売却の短期譲渡所得として試算すると所得税は、3,000万円(売買価格)-150万円(取得費5%)-100万円(諸経費)=2,750万円×39%(短期譲渡所得税率)=10,725,000円が税金となります。これが5年以上所有してからのご売却として長期譲渡所得であったとしてその税率を適用しても税金は2,750万円×20%=550万円です。

 

これは生前贈与と相続という引き継ぐ形と、所有期間が5年超か5年以下か、取得費が判明している場合と取得費が5%しか認められない場合という基準で資産等の比較を致しました。では、上記のような例で2,000万円という取得費が証明できない場合はどうなるかというと、やはり売買金額の5%が取得費として認められる範囲となります。ただし、相続で引き継いだ家屋がついている不動産を売却する場合には特例があります。期限内に売主又は買主が当該建物に耐震改修工事を行うあるいは、売主が売却の際に建物を除却して更地として引き渡す場合には、譲渡所得を3,000万円(相続人が3人以上の場合には2,000万円)控除するという制度があります。そちらが適用できれば、上記の試算の場合には税金がかからない計算になります。

 

このお話では単にご売却の際に税金などのメリットとデメリットが生じたり、相続では引き継ぐという考え方のもと、権利的なものの承継が認められるものがあり、贈与の場合には「もらった」という考え方になり権利の継承ができなくなったりするということだけのような気もします。贈与が登記されて確定してしまうと取り消しようがありません。また、不動産の引き継ぎ方はそれぞれのご家庭でありようは様々です。お求めになる形や、行く末のための準備によって今やっておくことは変わります。そんな時、手を付ける前にご相談をいただければと思います。あの手この手を使って思いのままに…ということはできませんが、お求めになる方向にお進みになるお手伝いや調査はできます。先ほども述べましたように登記や納税など手を付けてしまったら、その時点で確定してしまうことが多く、そのほとんどがやり直しがききません。なのでしっかりとした調査に基づいた行動が必要になります。「その時」では遅いってことが多いですから。調べながら一つ一つ前に進めてことも必要です。そんなことも私たち不動産屋のお仕事なんです。お気軽にお話しください。

 

今回から数回は不動産を”引き継ぐ”という部分をテーマにお話ししたいと思います。これは、空家、空地問題にもつながるお話なんです。「あの時ああしていれば」「知っていれば○○したのに」は後から思うことなんですよね。よく言う後悔先に立たずってことなんですね。行動は知識の上に起こさなくてはなりません。法律は元来「知らないでは済まない」という前提で成り立っていますから。またまた長くなってしまいました。失礼しました。お付き合いありがとうございます。次回もよろしくお願いします。

 

ご参考にご覧ください↓

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