なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑳-引きこもることについて- | 共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 takeheartのブログ

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「夫(あるいは妻)はいつも自分の部屋にこもりっぱなし…」
「会話がなくて、ただの同居人みたい…」

「結婚した意味(一緒にいる意味)ってなんだろう?」

 

そのように思うことはありませんか?

 

 

ASD傾向にある人(特に受動型の人)はなぜ「引きこもる=自分ひとりの時間」を必要とするのか、

カサンドラ症候群の人はなぜ孤独を感じてしまうのか、

お互いがお互いを理解し合えるヒントとなるような記事になれば幸いです。

 

 

改めてですが、ASD傾向にある人は、自分の部屋などに引きこもることが多いです。

なぜなら、ひとりの時間が必要だからです。

 

その理由は人によって様々ではありますが、およそ以下のようなものとなります。

 

1. 感覚過敏による痛みからの回復時間

ASD傾向にある人の多くは、普通の人なら気にならない日常の刺激(光、音、匂い、触感など)に対して過敏に反応します。

自分の部屋等の自分に合った安心できる環境は、こうした感覚の痛みから身を守るための避難所となります。

 

2. 社会的交流による疲労からの回復期間、あるいは社会的交流のための充電時間

ASD傾向にある人にとって、社会的交流は「自然に」できることではなく、それがたとえ家族であっても、意識的な努力と集中力を必要とする作業です。

家族以外の人との交流による疲労はそれ以上のものがあります。

表情の読み取り、言葉の意図の解釈、適切な反応の選択など、多くの認知処理を同時に行わなければなりません。

この精神的負荷からの回復や、次の社会的交流のための充電を回復させるには、一人の時間が不可欠なのです。

 

3. 特定の活動への没頭による安定

ASD傾向にある人の特性として、特定の趣味や関心事に深く没頭することがあります。

この自分の世界に入り込める「特別な活動」の時間は、単なる暇つぶしではなく、心身の安定のための重要な活動です。

 

4. 過去のコミュニケーションにおける失敗からの自己防衛

ASD傾向にある人は、幼少期から社会生活の中で「空気が読めない」「変わっている」などと批判され続けた体験を持っていることが多いです。

このような経験の積み重ねは、家族との関わりにおいても警戒心や緊張感をもたらし、心理的な安全を確保するために距離を取る行動につながることがあります。

 

5.同じ空間(家)にいるだけでOKという認識

ASD傾向にある人の中には、同じ空間(家)にいるだけで、コミュニケーションをしている気になっている人がいます。

結婚して身内になった瞬間に、コミュニケーションをする必要性を感じなくなるという人もいます。

もちろん無意識レベルの話です。

 

まず、以上のような前提を知っておきましょう。

ASD傾向にある人も、最低限自覚しておきましょう。

 

 

そしてここからが重要なのですが、カサンドラ症候群の人の多くは、このようなASD傾向にある人の、ひとりの時間をもつことそれ自体を否定しているわけではないことが多いです。

定型の人にもひとりになりたい時はありますし、そこは理解できます。

(逆にひとりでいられないという人はそれはそれでまずいです)

 

では、カサンドラ症候群の人たちは何がつらいのか。

 

それは、自分のことを気にかけてもらえていない、ということです。

ASD傾向にある人の中にも気にかけているという人はいると思いますが、それを「行動で示しているか」と問われれば、なかなか「できている」と言える人は多くはないと思います。

 

ASD傾向にある人は、

「ちょっと今から30分だけ自分ひとりの時間をもって良い?」

「疲れたから1時間寝てくるね」

「〇〇が終わったらリビングで話そうね」

などといった、「あなたのことを気にかけていますよ」という言葉や態度がないことが多いのです。

 

真の問題は、物理的な距離ではなく、心理的なつながりの欠如にある、ということです。

「なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑲-報連相ができない・シェア意識がない-」で書いた、スケジュールを共有しない、言わなくても伝わるという幻想、にもつながりますね)

 

カサンドラ側が本当に求めているものというのは、「一緒にいる時間の長さ」ではなく、「関係性の中での自分の存在価値」です。

 

繰り返しますが、「個人の時間」自体を否定しているわけではありません。

問題は、その前後に必要な気遣いが欠けていることなのです。

 

 

ASDの特性として、

 

1. 「言わなくても相手はわかっているだろう」という前提

ASDの傾向にある人は、自分の内面が外から見えていないという事実に気づきにくい傾向があります。

自分にとって当たり前の感情や状態を、わざわざ言語化して伝える必要性を感じにくいのです。

 

2. コミュニケーションが「義務」や「制約」に感じられる 

一貫性を重視するASDの特性から、些細な約束でも「絶対に守らなければならない義務」として受け止めてしまうことがあります。

このため、「ちょっと声をかける」という小さな行為でも、 「一度『報告する』と言ったら、毎回しなければならなくなる」と将来的な負担として捉えられることがあります。

 

3. 「情緒的つながり」の表現方法がわからない

ASD傾向にある人の多くは、具体的な行動(家事をする、経済的に支える、問題を解決するなど)によって愛情や配慮を表現することが多いです。

そのため、「愛情は行動で示している。なぜ言葉が必要なのかわからない」というように思うことが多いです。

「ただ存在を認め合う」という抽象的な情緒的交流の方法や必要性が、感覚的に理解しにくいのです。

 

以上のようなものがあるわけですが、これをただ「仕方ない」と片付けてしまうのは正直いかがなものかと思います。

カサンドラ症候群の人側だけがこのような特性を一方的に受け入れないといけないのはどうかと思います。

 

このような状況では、カサンドラ症候群の人が「なんで私と結婚したの!?」と思っても仕方ないと思います。

 

ASD傾向にある人も、自分の特性を理解した上で、できることをしていかないといけません。

 

先程上に書いたような、見通しを共有できるような一言です。

「今から30分ほど休むね」

「少し疲れたから一人になりたい」

「19時になったら一緒に夕食を食べよう」

「週末は一緒に過ごす時間を作ろうね」

などですね。

 

 

ぜひ夫婦間で話し合って、ルールのようなものを作ってみてください。

 

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いつものように、最後に一つ注意点をお伝えします。

 

発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。

 

決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、

ということが起きます。

 

「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。

 

こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。

こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。

 

また、すべてのASD傾向の人に本記事のようなことが起こるわけではもちろんありません。

傾向といっても、程度や出方は当然それぞれ人によって違います。

 

予めご承知おきください。

 

 

カサンドラ症候群の方からのご相談は昔から多いですが、皆さん大きなものから細かいひとつひとつのエピソードまで話しつくして成仏させています。


私には小さい頃から身近にASDの人がいたせいか、どんなに細かいエピソードでも「わかるわかる」と共感できる方かと思います(いくつか他のカウンセリングを受けてきたお客様にそう言われますので、きっとそうなのだと信じています)。

 

 

<関連ページ>

 

愛情表現をしていても、その表現方法の種類によっては、夫婦関係が悪化することがあります。

 
<参考ブログ>

 

 

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最近は息子の影響で、スプランキーにはまっています。

 

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