嫁さんから、「右手がむくんでいるから見て!」と、
声がかかる。
確かに左手と比べるとむくんでいるようだし、
“苦労してきた手”にも見える。
１歳若い僕の手はもう少し皮膚に張りがあると思うけど・・・
そんなことは口に出すことなく、
「心配だったら医者で診てもらったら」と、
模範解答をしておいた。
実際に、痛いから外科かなではなく、
内臓から来る痛みもあるだろうし、
ストレスなんかが原因かもしれない。
行きつけの医者でいいんだ。
これだけで夫婦の会話は盛り上がらなかった。
でも、そんなことがあって、
いつも行っているマッサージ屋さんで聞いたら、
「リンパの流れがよくない」らしい。
先生に施術してもらって、
なんか気が楽になったらしい。
よかった、よかったで一件落着だけれど、
この年齢になると「加齢が原因ですね」が、
医者の大体の見立てだ。
でも、原因を聞いて安心したいのが患者なんだけれど・・・
同年齢が集まると決まって、
年金の話、仕事の話、健康の話だ。
年金のもらえる額は決して聞かない。
手続きはどうだとか、いつからもらうとか、かな。
仕事はいつまで働くかだ。
ここでも給料をいくらもらっているかは聞かない。
金額の多い少ないがあるし、嫉妬もあるし、
年寄りになってから嫌らしい気分になるのはイヤだ。
健康の話は、あそこが痛い、ここが痛いだ。
自分の窮状を訴える。
もらえるお金の額に差があるのは致し方ないが、
お互いに健康で生活できればいいなあと思う。
上を見たらキリがない。
自分の足で立って、
皆が楽しく過ごせられればいいなあと願っている。