皆さんこんにちは。
本日は、「「怠惰」をあえて意識する」をテーマに書き留めたいと思います。
デヴォン・プライズ氏の『「怠惰」なんて存在しない』という本を読んでいます。
その中で同氏は以下のように書いています。
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何もしない、「怠惰」で非生産的な時間を大切にすると、人生の質が劇的に変わる。タスクをいくつ処理できたか、その数で自分の価値を測っている限り、自分にとって大切なことには気づけない。社会からの「やるべき」というプレッシャーではなく、本当の気持ちに従って優先順位を決めれば、より自分らしく生きられる。
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日々私たちは、やるべきことに追われています。企業人として、家庭人として、市民として、被った仮面の役柄に合うように考え行動しています。
でも、時にはその仮面が重すぎて、役柄を演じることが辛くなってしまうこともあるでしょう。
マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』にもみられるように、産業革命以降、勤勉さは価値道徳の上では大切な姿勢として受け入れられてきました。さすがにそのような宗教性を悪用した資本家本位の行き過ぎた行動に対しては、歴史的には人権を考え法的な抑制をかけてきましたが、自分の時間の多くを、働くこと、社会貢献することに費やすことは美徳であるという考え方は、現在でも私たちの根底にありますね。
ですから、あえて「怠惰」である時間を持とうとしなければ、上記美徳がデフォルトであるために、どんどん自分をその方向に巻き込んでしまいかねません。
現在は1日8時間労働が標準となっていますが、デヴォン・プライズ氏曰く、本来人間は、単純労働ならまだしも創造的な業務に携わる場合には、8時間という労働は無理があると言っています。すなわち、新しい価値を生み出すような思考を生み出すためには、疲弊した脳ではその実現が難しく、十分に睡眠・休養をとって活力ある脳の状態にしておかなければ不可能であるとのこと。そのため。1日に8時間働いて、その上に時間外労働までするような生活をしていると、効率性は期待できないわけです。
デヴォン・プライズ氏は、その生産的な休養期間を「インキュベーション期間(排卵期)」と称しています。(心理学用語) 卵から健康なヒヨコが生まれるには、暖かく安全な場所が必要であるように、ユニークなアイデアや視点を生み出すには、脳の創造性を担う部分に、安心、休息、リラックスを与える必要があるということです。
私自身、切迫動機が強く、努力することが自分を鍛えて成長に繋がるという考えを信奉してきたので、今までこのような考え方をしてきませんでした。ですから、同書を読み、目から鱗的な感じもしています。努力がいけないというわけではなく、努力の仕方や自己制御が大切であるという警鐘だと思いました。
最後までお読みくださりありがとうございました。
2024.9.23 #357
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