皆さんこんにちは。

本日は、「グレーに耐える胆力」というテーマで書き留めたいと思います。

 

自動思考というものがあります。この自動思考とは、その人が持っている考え方の癖で、ある物事とか外界からの刺激があった際に、即座に感じる自然な傾向のことを言います。

そしてその自動思考性が強く、一度自分の思考が定まったら、その思考に当てはまらない思考は排除してしまう傾向が強いことを、白黒思考といいます。

つまり、白か黒かはっきりしていないと気が済まないし、白と考えたら黒は絶対に受け付けない、というスタンスのことです。

 

私は元来、この白黒思考性が非常に強く、それがゆえに他者との協調がうまくいかない場合があります。特に相手も白黒思考の強いタイプの場合には、白黒が逆になったりすると収拾がつかなくなってしまうこともあります。

 

最近もそのような場面が多くあり、自分に対しても反省するところが多いのですが、白でも黒でもない「グレー」の状態にしておくコツは無いのだろうか、と考えたりもしていました。

 

 

政治の世界でも「玉虫色の決着」などという言葉があるように、曖昧な状態というのは、必ずしも良くないこともあります。

 

菊澤研宗先生の『組織の不条理』という書籍がありますが、その書籍の中に、第二次世界大戦のインパール作戦についての解説があります。戦況の旗色が悪くなってきた日本が、インパール作戦を実行するか否か、当時の幹部(大本営)は実行するともしないともわからないような非常に曖昧な指示を出した、とのこと。その曖昧な指示を出した背景には、作戦遂行の強硬派と中止を求める懐疑派がいて、どちらにも合理性があったので意思統一が出来なかったことが原因だったと菊澤先生は述べておられます。作戦遂行の結果は、史実が明らかにしている通りなのですが。

 

ですから曖昧な状態というのは、決して好ましくないことも多いのですが、個人視点に立ってみると、すべてを白黒明確にするような世界に生きることは出来ないので、やはりグレーの状態を受け入れる術を身に付けなければならないのかと思います。

 

色々と考えてみたのですが、一つは「シンプルに考えること」かと思っています。

白黒思考は一見するとシンプルなように見えますが、判断しなければならない要素が多ければ多いほど人間は迷うものです。迷うし、その背後にある他者の色々な意向を考えてしまうから、白黒はっきりさせないと前に進めない、という強迫観念も生まれやすくなるのかと。

「シンプルに」というのは、自分の価値観や好みをもう少し全面に出して、その感性を軸に考えてみることが必要なのではないかということです。

 

もう一つは「未来志向」。

今を考えるから判断が重たくなるのであって、未来に自分がどんなことをしたいか、どんな状態でありたいかを中心に考えれば、現在がグレーであってもそういうカオスを棚上げしやすくなると思います。

 

「シンプルに」そして「未来視点」で物事を考えれば、自分が現在執着すべきことも変わって見えてくるように思います。

 

夏季休暇を迎えていますが、現在や周囲に囚われずに、上からのミッションを意識して学びを続けたいと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2024.8.10 #351

 

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