皆さんこんにちは。

本日は「見えている世界を疑うこと」というテーマで書き留めたいと思います。

 

池谷裕二さんの『夢を叶えるために脳はある』という本を読んでいます。その中で学んだことを自分なりに考えてみました。

私たちが存在している世界は3次元の世界ですが、網膜を通して入ってくる情報は2次元に変換されます。同じ大きさの物体を見る場合、2次元ですから網膜上に映るのは、近くであれば大きく、遠くであれば小さく映るのですが、私たちはその物体の大きさが変わっているとは感じませんね。これは「知覚の恒常性」というもので、網膜上に映る大きさが変わっても、脳が調整をして大きさに変化はないという認知を備えているからです。

 

 

同書の中に、このような表記があります。

 

みなさん おはよういござます

よしろく おねがいしいます

 

よく見ると誤字だらけの表記なのですが、それほど違和感なく朝の挨拶として読める方が多いと思います。私もあまり違和感を持ちませんでした。

つまり私たちは、無意識のうちに自分の記憶を通して、朝の挨拶であるというスキーマで誤字を修正しながら読んでしまうわけです。

逆に言えば、いちいち誤字であることを気に留めるような注意を常に払っている方が能力発揮上は非効率で、社会生活には適さないともいえるでしょう。

 

このことは、私たちは普段の生活の中で、「物事を正しく見る努力をしているか」という問題提起に繋がると思います。スピード社会であるがゆえに、一部の記憶やスキーマに基づいて認知することがすべて悪いわけではありませんが、「見えにくい正しい事実」、「声にならない声」、「行間にある思い」など、本来はしっかり診て聴かなければならないものを避けて通ってはいけないのだと思います。

 

政治でも企業組織でも、すべての人間の意思を反映した運営はできません。でもどれだけ自分のスキーマから離れ、他者を診る努力、他者の声を聴く努力をしたどうか、そこが納得性を上げる指標になるのではないかと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2024.7.6 #346

 

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