皆さんこんにちは。

本日は、「ホーソン工場実験の意味するもの」というテーマで書き留めたいと思います。

 

米国ウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場にて、今から約100年も前に行われた実験がありました。当時、生産性(作業効率)を上げるためには工場内の照明の在り方が影響するのではないかという仮説があり、それを確かめるための実験が行われました。

実験の結果、照明を明るくしたグループは生産性が上がったのですが、照明を変えなかったグループも生産性は上がったのです。

 

この結果に対し、生産性は労働条件(賃金、作業場の条件、休憩時間など)により上下させることができと考えていた「科学的管理法」の支持者たちは、頭を悩ませてしまいました。

 

当時この実験は世間の注目を集めていたようでした。照明を変えたグループも、照明も変えなかったグループも、ともに選ばれた者として実験に向けてチーム内で話し合い、最善の結果を残そうと協力しあえる関係が作られていきました。

つまりこの実験から、「客観的な労働条件」よりも「職場の人間関係」の方が生産性に大きく影響を与えることがわかってきたのです。

 

 

ダニエル・キムは、組織の成功循環モデルという理論を提唱しています。

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成功するサイクルは、組織を構成するメンバー相互の「関係の質」をまず高めることから始めるアプローチです。「関係の質」を高めるためには、メンバーの相互理解や相互尊重を深めたり、一緒に考えること、すなわちコミュニケーションを促進します。そうすると、気づきを得たり面白さを感じることができ、「思考の質」が向上して、自発的・積極的に行動するようになり、「行動の質」が向上。その結果、「結果の質」が高まって、「関係の質」がさらに向上するというように、プラスの循環が続いていくのです。

一方、よくありがちな好ましくないサイクルは、結果を追い求め、目先の業績を向上させようとするところから始まります。そうしたやり方には無理があるので、強制力や指示命令の行使、やらされ感の高まりによって「関係の質」が低下します。「関係の質」の低下は、「思考の質」と「行動の質」の低下につながります。自発的・積極的に行動しなくなるので、成果が上がらず、「結果の質」の低下、職場のさまざまな問題の発生というマイナスの循環にはまり込んでしまうのです。

(PHP研究所https://hrd.php.co.jp/hr-strategy/od/post-1268.phpより抜粋、筆者一部加工)

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結果を求めることは大切です。特にビジネスにおいては、利益創出無しには組織体は存続できません。

でも企業体は利益を生み出すことが目的なのでしょうか。

 

トヨタ自動車の豊田章男さんが同社のグループビジョン説明会で、「トヨタはクルマを作る会社なのにも関わらず、おカネを作る会社になってしまっていた。今一度原点に戻ろう」と話されていました。

 

目的や意義を忘れ、集う人々の顔が見えなくなってしまわないように、常に自分たちの立ち位置を見つめていきたいものです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2024.4.27 #337

 

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